メンタル面が心配されるデロ―ザン
急転直下で成立した大型トレードにより、ラプターズ一筋のキャリアを送っていたデマー・デローザンが、カワイ・レナードと交換でスパーズに移籍した。
NBAはビジネス面での判断が優先される世界で、トレード成立は日常茶飯事だ。しかし、今回のトレードでは、ラプターズの手法が問題視されている。デローザンに対し「トレードの噂に関しては何の心配も要らない」と球団首脳陣がサマーリーグ期間中に伝えたと言われているからだ。
これが事実なら、デローザンは忠誠を誓っていた球団に騙されたことになる。ラプターズ首脳陣の対応が表に出始めると、ファン、NBA選手もSNSで反応。先日ナゲッツと契約したアイザイア・トーマスは「自分のケースから学んでもらいたい! 忠誠心という言葉は、この競技ではうわべだけ」と、Twitterに投稿した。
デローザンのトレードとは経緯が異なるものの、トーマスもまた、2017年の夏にセルティックスからキャバリアーズにトレードされた。それまでの2年半あまり、名門チームのエースとして活躍していたトーマスだったが、2017年のプレーオフ中に股関節のケガを悪化させてしまい、セルティックスは彼の放出を決断した。
ラプターズのフロントに裏切られたかどうかにかかわらず、今回のトレードでデローザンは心に深い傷を負ったはずだ。今年に入り、以前うつ病に苦しんでいたことを告白したデローザンだけに、メンタルへの影響が心配される。デローザンは、来週ラスベガスで行なわれるアメリカ代表のミニキャンプに参加する予定で、そこで代表ヘッドコーチを兼任する新天地スパーズの指揮官グレッグ・ポポビッチに会うと見られている。気持ちを切り替えて来シーズンに臨むためにも、今のデローザンには、ポポビッチのケアが必要だ。
Welcome to San Antonio, DeMar! pic.twitter.com/kpjhqYigvf
— San Antonio Spurs (@spurs) 2018年7月18日