長野誠史、タレント揃いのシーホース三河を機能させるキーマンに「今日みたいにチーム全員で」の誓い

長野誠史、タレント揃いのシーホース三河を機能させるキーマンに「今日みたいにチーム全員で」の誓い

2020/12/30 17:00
長野誠史

年内ラストゲーム、20得点で宇都宮戦の勝利を演出

シーホース三河は12月27日の宇都宮ブレックス戦に90-70と快勝して、2010年の全日程を終えた。

2018年オフから始まったチーム再編は思うように進まず、ここ2シーズンは勝率が伸び悩んだが、今シーズンは18勝7敗とスタートダッシュに成功。琉球ゴールデンキングスと並び西地区の首位に立っている。もっとも、古豪復活の手応えを得るには東地区の強豪とどれだけの戦いができるかが問われる。そういう意味でも注目の宇都宮戦、26日の第1戦では宇都宮の激しいディフェンスに受け身に周り、終盤に猛追するも及ばず敗戦。27日の第2戦はチームの真価が問われるものとなった。

宇都宮の高いレベルで安定したディフェンスとどう渡り合うか。第2戦でも第1クォーターは宇都宮のディフェンスを崩せず、川村卓也が個人技でシュートをねじ込み、フリースローで何とか繋ぐ立ち上がりとなった。それでも宇都宮に負けないタフなディフェンスでロースコアの展開を維持すると、第2クォーターになって流れが変わる。

きっかけを作ったのは加入2年目の長野誠史だ。ダバンテ・ガードナーと金丸晃輔を徹底マークする宇都宮に対し、柏木真介との2ガードで投入された長野がオフェンスのペースを上げ、自分で思い切り良く仕掛けて得点を連発する。その勢いはチームとしての成熟度の高い宇都宮を慌てさせるに十分なもので、そこで第1戦は3ポイントシュートを1本も打たせなかった金丸へのマークが緩む。それを見逃さなかった長野のアシストから金丸の3ポイントシュートが決まると、チームは勢いに乗った。

長野はディフェンスでも攻めの意識を貫き、スティールから柏木のファストブレイクに、また自らのワンマン速攻へと繋ぎ、試合の流れを一気に引き寄せている。

後半にも宇都宮の猛反撃を受けたタイミングで、長野が存在感を見せる。鵤誠司をクロスオーバーで振り切り、ジョシュ・スコットのヘルプより一瞬早くフローターを沈める好プレーを始め、連続得点で相手の流れを断ち切った。大事な第4クォーターもほとんどコートに立ち、宇都宮相手に20点差で快勝する立役者となった。

長野誠史

「柏木さんから自分の持ち味をどんどん出せと言われています」

長野は自ら仕掛けて得点を奪うタイプのポイントガードだが、三河には優れたスコアラーが揃い、周囲の得点能力をどう生かすかが問われる。その中で1年目を「何をすればいいのか分からなかった。どれが正解かが分からないままやっていました」と振り返る。

これは時間が解決するものではなく、何らかの解答を自分で見いだし、成功体験を積み重ねる中で正解としていかなければならないものだ。そんな悩みから抜け出すきっかけを作ったのは、同じポジションで14歳年上の柏木だ。

「今シーズンに柏木さんが来てくれて、自分の役割を練習中から柏木さんによく聞いています。柏木さんからは自分の持ち味をどんどん出せと言われていて、ドライブとか外のシュート、またドライブした後に丸さんやテイ(ガードナー)、卓さんにしっかり合わせるプレーが練習からできています。そこは1年目とは全然違います」

「金丸さんだったり(川村)卓さんだったり、周りを見ながらそこにパスが入らなかった時に自分がどうするかを練習から常に考えて、また自分が無理だったらパスを出してカッティングしてまたもらって、最終的にまた自分にボールが来れば秒数も少ないので、その時はしっかりアタックすることを意識しています」

この試合での長野はベンチスタートながら29分の出場で20得点、さらには5アシスト4スティールを記録。オフェンスを引っ張るプレーが目立ったが、鈴木貴美一ヘッドコーチに言わせれば彼のプレータイムが伸びている理由はディフェンスにある。「大事なところでミスをする、もったいない選手だったんですけど、今シーズンはそれをディフェンスで補っています。ターンオーバーは大嫌いですが、それを補うディフェンスがある。ミスしても戻ってチャージングを取るとか。そこが一番気に入っているところです」

長野誠史

「取りたいというか、結果的に20点取れればいい」

点を取れるタレントが揃うもチームとして噛み合わなかった三河だが、「上手く行かない時は個々でどうにか打開しようとする時です。今日みたいにチーム全員で、というのをやればエナジーが出ます」と語る長野が、チームの歯車を噛み合わせるキーマンとなりつつある。自分の個性を生かすことで周囲を生かす。そのバランスがようやく見いだせてきたようだ。

彼にとってはブレイクスルーとも言える出来だったが、彼はこのパフォーマンスを次にどう繋げるかだけを意識している。

「今日みたいに周りが無理だったら自分でアタックして点数を取るのを続けていかないと。自分より丸さんたちにディフェンスがハードに来るので、そこで自分がドライブで仕掛けることが重要になります。これからもそのドライブをしていきたいです」

20得点は長野にとってキャリアハイであり、この試合で金丸やガードナー、またロシターも含め誰よりも多いゲームハイの数字。点の取れるポイントガードであることは大きな魅力だ。ただ、「また20得点を取りたいと思うか?」との問いに、長野は笑いながらこう答えている。「取りたいというか、結果的に20点取れればいいなと思います」

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