報徳学園

フル出場のデイビッドは33得点24リバウンド4ブロック

優勝候補の一つ、報徳学園がウインターカップ3回戦で東海大学付属諏訪と対戦した。

報徳学園は宇都宮陸が老獪なゲームメークを見せ、208cmのコンゴロー・デイビッドの高さを強調するのではなく囮に使い、周りの選手が得点を重ねていく。11得点を挙げた先発の中野椋太も「デイビッドにマークが寄るのは分かっていたので、フリーになった時にコンスタントに決められたのは良かった」と、デイビッド頼みではないチームオフェンスに手応えを感じた。

12本のオフェンスリバウンドと4ブロックという数字が示すように、デイビッドの高さはやはり強力で、報徳学園の一つの武器となっている。周りを使いながらも、ここぞの場面でデイビッドのイージーシュートが生まれ、前半で54-39と2桁を超えるリードを奪った。

だが、「後半に突き放そうと思ったけど全然突き放せなくて、試合展開としては思い通りというわけにはいかなかったです」と中野が語ったように、後半は諏訪の粘りに苦しんだ。諏訪の髙山鈴琉と中川知定真にはそれぞれ35得点、28得点を許し、特に2人のアタックに手を焼いた。2人とも5割を超える高確率で3ポイントシュートを沈めつつ、デイビッドの高さに屈さずに、ドライブからも得点を量産した。

丸山賢人の3ポイントシュートが不調に終わるなど、突き放せなかった要因はいくつかある。それでも、常に2桁前後のリードを保ち、慌てるようなことはなく100-92で勝利し、「チームとしては100点取れてますし、相手も2人退場して持ち味を生かせた」と、中野はチームの出来に及第点の評価を与えた。

明日は福岡大学附属大濠に圧勝した東山との大一番が待っている。東山も留学生のムトンボ・ジャン・ピエールを擁し、米須玲音など超高校級のプレーヤーがいる。互いの中心選手の力が拮抗した場合、脇を固める選手のパフォーマンスが勝敗を左右することはよくある。「東山にはまだ一回も勝ったことがないので、失うものは何もないです。120%出し切って、明日の試合は楽しんで勝利したいです」と意気込む中野が、カギを握ることになるかもしれない。