佐藤果歩「やりづらいとは思いませんでした」
岐阜女子は1回戦で県立湯沢翔北に92-42で、今日の2回戦では東海大学付属福岡に83-64で勝利。危なげなく3回戦へと駒を進めた。
それでも東海大福岡は、198cmと今大会の女子選手で最も身長の高いの留学生プレーヤー、ファール・アミナタを擁するポテンシャルを秘めたチームであり、昨年がウインターカップ初出場だったが、今では激戦区の福岡県を制する強豪へと成長している。岐阜女子の先発センターのイベ・エスター・チカンソは186cmと、アミナタより10cm以上小さい。
岐阜女子は以前から留学生プレーヤーの高さと日本人選手の平面のバスケを上手く組み合わせて全国の強豪へとのし上がったチームであり、同じようなバスケットを志向する新興勢力の挑戦を受けることになった。だが、蓋を開けてみれば岐阜女子が一枚も二枚も上手だった。
「昨日は初日ということで前半なんかディフェンスがダメで、ミーティングではしっかり言いました。九州ブロック1位で、大きい選手を中心にして、それ以外の選手も個の力があるチームです。ディフェンスをまずしっかりやる指示は徹底しました」と岐阜女子を率いる安江満夫コーチは言う。
序盤はアミナタの高さに少々戸惑ったが、エスターは機動力とパワーで守り切る。アミナタはまだ1年生で、入学してすぐにコロナ禍に見舞われたこともあり、トップレベルの留学生プレーヤーとの対戦経験はまだ浅い。エスターはフィジカルを生かしてアミナタを良いポジションから締め出して攻守に優位を作った。
もっとも、東海大福岡は日本人選手の走力とスキルも持ち味。アミナタに固執することなく、彼女をベンチに下げて平面のバスケで真っ向勝負を挑んできたが、ここでも岐阜女子が上回る。キャプテンの佐藤果歩を軸に走り負けず、要所でエスターの高さを生かして違いを作り出し、クォーターごとに着実にリードを広げていった。
難敵に完勝を収め、34得点のエスターに次ぐ16得点を挙げた佐藤は「相手が大きくてもインサイドで負けることはないと思うし、インサイドを使いながらアウトサイドも使えるのが自分たちの武器です。やりづらいとは思いませんでした」と、代々築き上げてきた岐阜女子のバスケへの自信を見せた。
東海大福岡は初戦敗退となったが、岐阜女子と真剣勝負の場で対戦できたことは得がたい経験となるはず。アミナタは23分の出場で13得点と結果を出せなかったが、まだ1年生。この経験は彼女をさらに強くするに違いない。
安江コーチは「新しいチームでサイズが大きい留学生がいて、でもファウルトラブルとかいろんな問題がゲームで起きることは私もいっぱい経験してきました。チームとして良い経験を積んで、お互いに良い意味で切磋琢磨できればいいと思います」と語る。いずれもっと強くなった東海大福岡と、岐阜女子はまた対戦するはずだ。それぞれがどう成長して相まみえるか、楽しみに待ちたい。