中津北の木下菜月、29得点でエース対決を制す

元日本代表ポイントガードの藤岡麻菜美をアシスタントコーチに迎え、6年ぶり3回目のウインターカップ出場を果たした千葉英和が1回戦で大分の県立中津北と対戦した。

強豪ひしめく県予選を勝ち抜いた千葉英和だが、良い立ち上がりを切った後は足が思うように動かない。森村義和コーチが「ウチは6年ぶりの全国大会だから選手が異常に緊張して、普段の力が出し切れなかった」と振り返る、全国大会のプレッシャーだった。183cmのセンター、高根澤伽心の高さのミスマッチを生かしたいところだったが、開始6分半でケガのため交代することに。ここから中津北が優位に立つ。ポイントガードの木下菜月が力強いボールプッシュから自らプルアップシュートを決め、スキップパス1本でチャンスを作り出すなど、第1クォーターのラスト3分半で10-4のランで千葉英和を突き放した。

その後は中津北がリードし、千葉英和が追いかける展開に。第3クォーター途中にはセカンドチャンスから木下がジャンプシュートをねじ込んでリードを10点に広げるも、千葉英和はキャプテンの志村愛莉、シューターの田丸実来の得点で食らい付く。第4クォーター残り3分で1点差まで迫るも、どうしても追い付き、追い越すことができない。

ここで5年連続13回目の出場を誇る『常連校』中津北の経験が生きた。チームでズレを作ってエースの木下に攻めさせて得点を重ねていく。対する千葉英和は勝負どころでボールムーブが停滞し、志村が個人で強引に打開することになり、得点が伸びなかった。最終スコア66-61で、中津北が接戦を制している。

千葉英和の藤岡アシスタントコーチは「らしさが全く出ていなかったので、どうしちゃったのかなという感じ。イージーシュートも落としてしまい、ディフェンスを頑張ることと、得意なプレーを悔いなくやってこいとしか言えませんでした。高校生だし、指導していないことは絶対にできない。そこは自分の力が足りなくて悔しかったです」と肩を落とす。

志村は22得点15リバウンド4アシスト、木下は29得点7リバウンド4アシストと、両チームのエースが力を発揮した試合となったが、チームとしての経験の差が勝敗を分けた。志村は「自分たちの代の目標はウインターカップに行くことでした。その目標を達成できたのはうれしいですけど、次の代には1勝してほしいです」と、下級生に夢を託す。新型コロナウイルスの影響もあり、ウインターカップまで残った3年生は志村、高根澤、阿部久里香の3人だけ。このウインターカップを経験した下級生が、次の挑戦に乗り出す。