リーグ屈指のディフェンスチームとしての姿を取り戻せるか
ジャズは昨年のプレーオフでファーストラウンド突破まであと一歩まで迫っていた。しかし勝負どころでのターンオーバーやミスが目立ち、ナゲッツに3勝1敗から3連敗を喫して敗退。チームのエース、ドノバン・ミッチェルは間近に迫った2020-21シーズンでの雪辱を誓った。
「3勝1敗をひっくり返されたことは忘れていない。僕らはファーストラウンドで敗退した。そんなことをやっている暇はない。開幕から飛ばしていく。現状に満足しているようではいけない」
手痛い敗退からのバウンスバックを狙うジャズは、オフにチームの中心選手を引き留めることに成功。ミッチェルとはマックス額で契約を延長し、ジョーダン・クラークソンとも新たに契約を結んだ。2019年にペリカンズへトレードで放出したデリック・フェイバーズもわずか1年で古巣へ復帰させた。
来季の鍵を握るのがミッチェルであることは言うまでもない。ナゲッツとのファーストラウンドで見せたパフォーマンスは圧巻だった。レギュラーシーズンの平均24.0得点、フィールドゴール成功率44.9%を大きく上回り、ナゲッツとのシリーズでは平均36.3得点、フィールドゴール成功率52.9%とオールスター級の選手へと成長した。
ジャズはもともと強固なディフェンスが強みのチームだ。2017-18、2018-19シーズンの平均失点は2位で、2018年、19年と2年連続で最優秀守備選手賞を受賞したルディ・ゴベアを中心にリーグトップクラスのディフェンスを誇っていた。しかし、昨年はリーグ13位と振るわず、ディフェンスの建て直しも急務だ。指揮官のクイン・スナイダーも「チームに必要なのはディフェンスに集中し続けること。ディフェンスでチーム内でアジャストしていくことが課題だ。オフェンスではそれができているから、ディフェンスでも同じことをする必要がある」と語った。
オフェンスで鍵になるのは、手首の手術から復帰したボーヤン・ボグダノビッチだ。ボグダノビッチはミッチェルに次ぐチームのセカンドスコアラーで、昨シーズンは63試合に出場しキャリアハイの平均20.2得点、3ポイントシュート成功率は44.7%と非常に高い数字を残した。「これほど長い間プレーしなかったのは人生で初めてだった。ピックアップゲームやプレシーズンマッチでも違和感があったから、フィーリングを取り戻すためにももっとプレーしたい。復帰できて嬉しいよ」
10月にはユタ州出身のテック企業創業者が新オーナーに就任し、球団の運営面でも新たなフェーズに入った。強豪がひしめく西カンファレンスでジャズがどこまで行けるのか注目だ。