川崎のインサイドを封じ、オフェンスでは外と中からバランス良く得点
富山グラウジーズvs川崎ブレイブサンダースの第2戦。延長戦までもつれた第1戦とは打って変わって、富山が終始主導権を握って96-78で勝利した。
ゲーム序盤、川崎はピック&ロールを中心に攻め、富山はボールプッシュして速い展開のバスケを遂行することで、開始7分間は富山が8点、川崎が9点と拮抗した戦いに。
しかし、富山は第1戦で20得点13リバウンドを記録したリチャード・ソロモンが、第1クォーターで個人ファウル3つとファウルトラブルに陥りベンチに下がる。それでも、ソロモンに代わって入ったジョシュア・スミスがインサイドを圧倒する。体格差を生かしてリバウンドを制することで、川崎にセカンドチャンスを与えない。オフェンスではダブルチームで対応されたが、全員が3ポイントシュートを放つ富山にとってはフリーの選手が生まれるため好都合だ。シューター陣の前田悟や城宝匡史だけでなく、ストレッチ4の橋本晃佑も3ポイントシュートを沈める。
対する川崎はディフェンスで苦戦。スミスにダブルチームに行けば他の選手に外角シュートを決められ、かといってスミスを1人で抑えることもできずに富山の得点を止められない。さらにはジュリアン・マブンガのペイントアタックやスミスのセカンドチャンスを止めようとしてファウルがかさみ苦しい展開に。第1戦では起爆剤として活躍した篠山竜青も第1クォーターで2ファウルと苦しみ、思い切りの良いプレーができない。その流れはオフェンスにも影響して単調なプレーが続く。さらにピック&ロールも対策され、タフショットを打っては富山に速攻に繋げられてしまう。また、バックコート陣がペイントアタックをしても、インサイドでマブンガとスミスの壁を破ることができずに、前半では富山がペイントエリアから22点を挙げたのに対し、川崎は14点に留まった。
こうして富山はトランジションバスケと3ポイントシュートをしっかり沈めることで、前半で47-29と大量リードを奪うことに成功。後半に入っても富山の勢いは止まらない。マブンガはポストプレー、ドライブ、3ポイントシュートとどこからでも得点を挙げ、マークが厳しくなればベテランの水戸健史が合わせに入り得点へと繋げる。第1戦では第3クォーターで自分たちのミスから失点し点差を詰められたが、今日はミスをしてもディフェンスを整えることで崩れることなくオフェンスに繋げた。
終盤では辻にマブンガがフェイスガードで対応
前半はピック&ロールを封じられ攻めあぐねた川崎は、後半ではキックアウトや速いパス回しでズレを作ってシュートチャンスを探していく。シュートタッチが良い辻直人の3ポイントシュートを中心に得点を重ねるが、全員が得点を取る富山に対して、川崎は辻に偏ってしまい苦しい状況は変わらない。
71-53と富山がリードを守って迎えた最終クォーター。富山はファーストプレーでマブンガからソロモンへのアリウープを決めてさらに勢いに乗ると、その後も自分たちのペースで試合を進めていく。
しかし、川崎も辻が意地を見せる。キャッチ&シュートで3ポイントシュートを沈めるだけでなく、ディフェンスにコンテストされても態勢を崩しながらボールをリングに沈める。残り3分の時点で87-64とリードしていた富山だが、第1戦では16点のリードを覆されただけに、この日は最後まで攻めのディフェンスを見せる。3ポイントシュートが止まらない辻に対し、マブンガがフェイスガードで抑え込み、96-78で富山が勝利した。
この試合で富山はリバウンドを50-24と圧倒し、ファストブレイクポイントでも16-9と上回った。ペイントエリアからの得点でも50-28と、川崎にインサイドで仕事をさせなかったことは大きい。
また、川崎は2桁得点を記録したのが、25得点の辻と11得点のパブロ・アギラールのみと偏りが目立ったが、富山は外国籍3選手がダブル・ダブルを達成し、セカンドユニットの水戸健史が11得点、橋本晃佑が10得点とバランスの良さが目立った試合となった。