第1クォーターを34-16と圧倒し、リードを維持する
名古屋ダイヤモンドドルフィンズと三遠ネオフェニックスの愛知ダービーによる水曜ナイトゲーム。第1クォーターで18得点のリードを奪った名古屋Dが最後までリードを守り、91-77で勝利した。
三遠は鈴木達也が積極的に切り込むことでジャンプシュートやカイル・ハントとのアリウープなど、1プレーで得点まで持っていく。対する名古屋Dは素早いパス回しでズレを作り3ポイントシュートやインサイドから得点へ繋ぎ、開始4分間は名古屋Dが9得点、三遠が10得点と拮抗した戦いに。
しかし、ここから名古屋Dの怒涛の得点ラッシュが始まる。人とボールを動かすことでスペースを作り出し全員が3ポイントシュートを狙っていくと、この試合で今シーズン初先発を任された張本天傑が3ポイントシュート4本中3本成功を含む11得点を記録。また、インテンシティの高いディフェンスを行うことで三遠からターンオーバーを誘発してトランジションバスケで得点へと繋げ、第1クォーターだけで34得点を挙げる。
対する三遠はゲームの立ち上がりでは単発プレーでもシュートまで持って行けていたが、自分たちのミスや名古屋Dのインサイドを徹底したディフェンスに苦戦。シュートはタフショットに終わり、名古屋Dにディフェンスリバウンドから速攻へと走られる悪循環に陥り16得点と伸び悩む。
59-37と名古屋Dがリードを維持して迎えた後半。名古屋Dはスイッチディフェンスを遂行して三遠にズレを作らせず、ミスマッチが生まれてもしっかりとカバーに入ることで簡単には得点を与えない。対する三遠は前半でも時折使っていたゾーンディフェンスがしっかりと機能し始める。インサイドにはボールも人も入れさせず、外回りのパスにも足を動かして対応することで、前半のようには簡単に3ポイントシュートを打たせないことに成功。
こうして互いにディフェンスの強度が上回り得点が伸び悩む時間帯が続くが、三遠はステヴァン・イェロヴァツが個人技で名古屋Dのディフェンスを打開していく。キャッチ&シュートで3ポイントシュートを連続で成功させると、今度はドライブで得点へ。外と中から得点を挙げていきディフェンスのマークが厳しくなると、今度は味方のスペースを作り出すことでチームオフェンスも機能し始める。前半はインサイドでの得点が少なかったが、後半になるとハントがパワーでは敵わないジャスティン・バーレルに対し、身体をぶつけながらもフックシュートを沈めることで得点が伸び始めるが、第1クォーターでつけられた18点差を詰めるまでには至らなかった。
「名古屋Dの方がしっかりとボールをシェアできていた」
対する名古屋Dは、ディフェンスのミスコミュニケーションなどで簡単に得点を与えてしまう場面もあったが、チームとして崩れることなく、チャンスを見つけてはボールプッシュして得点へと繋ぐことで最後までリードを守り切った。
この試合、第1クォーターは34-16と名古屋Dが圧倒したが、第2クォーターは25-21、第3クォーターは17-19、第4クォーターは15-21と第2クォーターから第4クォーターの合計得点では57-61と三遠が上回った。それでも名古屋Dはロスターの12人全員が得点を挙げ、ベンチからの得点は29-2と圧倒。また12人のうち8選手が3ポイントシュートを成功させるなど、要所で自分たちの強みである外角シュートとトランジションバスケを遂行することで、三遠を完全には勢い乗せずに最後までリードを守った。
勝利した名古屋Dの梶山信吾ヘッドコーチは、「久しぶりのホーム戦だったので勝てて良かったです。選手たちが40分間、自分たちのプランを信じてやり通してくれました」と選手を称えた。
一方敗れた三遠のブラニスラフ・ヴィチェンティッチヘッドコーチは、第1クォーターでの大量失点を悔やんだ。「スタートからの4分間は特にオフェンスが良かった。しかし、ディフェンスがソフトになってしまいオープンショットやレイアップシュートを与え、さらに向こうはトランジションでアタックしてきた。ウチもメンバーやディフェンスを変えて対応したけど、第1クォーターで34得点を与えたのがこの結果に繋がった」
それでも第2クォーター以降は拮抗した戦いを続けた。ヴィチェンティッチヘッドコーチは「良かった部分もあり得点を取ることができたが、最初の点差を詰めるには至らなかった。また、名古屋Dの方がしっかりとボールをシェアできていて、そういうところで差が出てしまった」と言うように、アシスト数では名古屋Dが26本、三遠は17本と差が出た。
三遠はサーディ・ラベナが新型コロナウイルスに感染し、他にもケガ人を抱えているため、わずか9人で挑んだが、指揮官は「開幕からここまで、まだ一度もフルロスターで戦えていない。限られた人数でシェアをするのは難しいが、しっかりとタイムシェアをして戦いたい」と語った。