フランク・ボーゲル

「新加入選手がチームにどれだけ貢献してくれるか」

昨シーズンのNBAを制したレイカーズが、連覇に向けて始動した。レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスが揃って契約延長に合意し、チームの核となる部分は揺るがない。指揮官のフランク・ボーゲルもまた、連覇に向けて強い気持ちを持って新シーズンの戦いに乗り出した。

「昨シーズンよりも良いチームになる必要がある。連覇に向けてまず認識しなければならないのは、昨シーズンよりも難しくなるということ。ウチは他のチームよりオフが短く、不利な状況だ。キャンプ初日で選手たちに伝えたのは、ディフェンスのアイデンティティを確立すること。そしてチームの一体感、ボールシェア、エゴを捨てることは変わらないということだ」

レブロンとデイビスの核をサポートする選手たちは多くが入れ替わった。その中でも注目されるのが、サンダーから加入したデニス・シュルーダーだ。彼は「スタメンでプレーしたい」と語ったが、ボーゲルは「これから検討するので、決めるのはまだ先」と牽制しつつも「デニスはオフ・ザ・ボールでも良い仕事ができる。オフェンスの起点となるのでレブロンと合うだろうし、両者にとってメリットがあると思うので、キャンプで評価して、勝つためにベストな布陣を決めたい」と期待を寄せる。

NBAファイナルまで戦い抜いたレイカーズの選手たちには、オフが8週間しかなかった。身体を一度リセットし、ポストシーズンの疲労を抜くのも重要。そこから個々にワークアウトをしたにせよ、プレータイムも違えば年齢も違うため、始動時点でのコンディションはバラバラだろう。

「いつも通りのオフが取れなかった選手の負担は減らすべきで、優勝争いを経験した選手に無理はさせたくない。例年であれば、どの選手もチームに合流する前にピックアップゲームをこなし、あざができるほどの強度でプレーしてくる。キャンプに入ってインテンシティはさらに上がる。今回はその期間がないが、試合はすぐそこまで迫っている。早くから追い込んでケガをしやすい状態にならないよう、逆にゆとりを持たせすぎてケガをすることも避けたい。準備はしっかりと進めていきたい」

ベテランのレブロンはシーズン序盤の試合を欠場し、コンディションが万全になってから試合に出るのではないかと見られている。彼は誰よりも身体のケアに注意を払う選手であり、身体作りのルーティーンを持っている。彼自身は常に試合に出たがるだろうが、プレーオフMVPへのリスペクトの意味でコーチから「無理はするな」と命じることも考えられる。

ボーゲルは、「今はなんとも言えない」と、否定も肯定もしなかった。「準備が不十分ではプレーできない。もちろん、やりすぎは禁物だ。どんなバランスを取るかは決めていないが、プレシーズンマッチの何試合かには出場するだろう。それで開幕戦でプレーするには十分だと思う」

シュルーダーにマルク・ガソル、モントレズ・ハレルにウェスリー・マシューズ。頼りになる新戦力が加わったが、ラジョン・ロンドやドワイト・ハワードといったプレーオフの勝負どころで頼りになるベテランを引き留めることはできなかった。

「バスケに限らず、どのチームも優勝チームの選手を欲しがる。選手の慰留も競争だ。難しい判断を迫られることになるが、ウチは一部変更はあっても核となる部分は引き留めることができた。それについては満足しているし、新加入選手がチームにどれだけ貢献してくれるかに期待している」

レイカーズ就任1年目でNBA優勝を成し遂げた指揮官は、今もなお野心を燃やしている。彼の下ではスター選手が喜んでハードワークし、リバウンドやルーズボールに飛び込んでいく。そのモチベーターとしての手腕、戦略家としての頭脳は、新シーズンにも大いに発揮されそうだ。