マイケル・ポーターJr.

「先発でプレーしたい。勝ち取るつもりだ」

ナゲッツのマイケル・ポーターJr.はNBAキャリア3年目のシーズンに向けて始動した。とはいえ、ルーキーシーズンにはケガで1試合も出場できず、今シーズンも万全のプレーができたのは『バブル』での再開から。プレシーズンからチームと準備できるのは今回が初めての経験だ。それでも、昨シーズンのプレーオフで19試合に出場、セカンドユニットのオフェンスを引っ張るエース級の活躍を見せたことで、自信を持って開幕を迎えられる。

その自信は普通の若手とは違う。ジャマール・マレーとニコラ・ヨキッチの両エースがフル回転してもレイカーズとの差は小さくなかった。その差を埋めるのが自分だと彼は考えている。

「僕はベストプレーヤーになりたい。相手チームのベストプレーヤーをマークしたいし、相手のベストプレーヤーにマークされたいんだ」とポーターJr.は言う。

「昨シーズンに僕はすべてを経験した。レブロン・ジェームズ、カワイ・レナードとポール・ジョージ。僕と同じポジションのベストプレーヤー全員とマッチアップしたんだ。昨シーズンにはなかった経験を持ってシーズンに臨めると思っている」

ただ、そのためにまずはスタメンを勝ち取らなければならない。『バブル』での彼はベンチスタートで、その高いシュート力とアグレッシブにボールに絡んでいくエナジーでチームに貢献した。ナゲッツで先発を務めたのは、レギュラーシーズンはベテランのウィル・バートン、彼が不在だった『バブル』ではジェレミー・グラントだった。グラントは移籍したが、バートンはひざのケガが癒えて戻って来る。ディフェンスの安定感ではバートンが上。オフェンスでもチームと連動して機能させる意味では経験豊富なバートンに分がある。若さと勢いだけでは、先発の座を勝ち取ることはできない。

だが、十分な経験を積むまで脇役に甘んじるつもりは、今のマイケル・ポータJr.にはない。「先発でプレーしたいね。もちろん、与えられるものじゃなくて、勝ち取らなければならない。僕はそうするつもりだ」

「僕はプレータイムのないところからスタートして、プレーオフのカンファレンスファイナルまで行った。昨シーズンの経験を良い形で新シーズンに持ち込みたい。一気にステップアップしたいんだ。プレーオフで感じた自分に足りない部分は、このオフで改善に励んできた」

『バブル』での活躍は、新シーズンのさらなるブレイクを予感させるに十分なものだった。スモールフォワードだがゴール下の争いで競り負けない屈強な身体、それでいて走って跳べるアスリート能力、そして美しく打点の高いジャンプシュート。厄介な腰のケガを乗り越えて、NBAでもトップクラスの素質が開花しようとしている。マレーとヨキッチ、ここにポーターJr.が入るほどに成長し、若き自前の『ビッグ3』が誕生すれば、ナゲッツが昨シーズンからあと2シリーズを上積みするのは難しくないように思える。