オフェンスでは3ポイントシュートが課題に
秋田ノーザンハピネッツがホームに新潟アルビレックスBBを迎えた水曜ナイトゲーム。ダブルオーバータイムにまでもつれる激闘となったが102-110で秋田が敗れた。
新潟は開始1分半で五十嵐圭が3ポイントシュートを2本成功させると、インサイドではロスコ・アレンとジェイソン・ウォッシュバーンが緩急あるプレーで得点を重ねていく。新潟は秋田のディフェンスに対しても、毎ポゼッションでしっかりとオフェンスを組み立ててスペースを作り、外と中からバランス良く攻めてリードを奪う。
対する秋田はスクリーンが機能せずにセットオフェンスを遂行することができない。そのため大浦颯太が個で打開して攻める時間が続くが、アレックス・デイビスを中心にオフェンスリバウンドを取ることで新潟に食らいつく。それでも前半で新潟は3ポイントシュートで12得点を挙げたのに対し、秋田は3得点に留まり、5点前後の点差を詰めることができないまま試合が進む。
58-62と秋田が追いかける展開で迎えた最終クォーター。ここまで秋田らしい攻めのディフェンスがあまり見られなかったが、ようやくディフェンスのギアが上がり、新潟からミスを誘う。ハーフコートオフェンスではインサイドを封じられビッグマンの得点が停滞したが、大浦や長谷川暢が果敢なドライブでチームに勢いを与えると、5試合ぶりの試合出場となった古川孝敏が残り30秒で3ポイントシュートを沈め78-80と2点差に。そこからファウルゲームを仕掛け、ラスト10秒で古川がミドルシュートを沈めて同点に追い付いた。
80-80で迎えた1回目のオーバータイム。ともにチームファウルが5つに達していたため、ここからはフリースロー合戦に。秋田はデイビスとハビエル・カーターがファウルアウトし、途中からインサイドはカディーム・コールビーのみになるが、残り30秒で古川がバスケット・カウントをもぎ取り、93-89として決着と思われたが、五十嵐がタフな3ポイントシュートを2本沈めて、95-95でダブルオーバータイムに突入する。
ダブルオーバータイムになっても拮抗した戦いが続くが、残り2分でコールビーもファウルアウトし秋田は日本人選手のみに。ウォッシュバーンとアレン・ダーラムのビッグマンを日本人選手だけで止めることは難しく、最終スコア102-110で秋田が接戦を落とした。
「ダブルオーバータイムでは力尽きてしまいました」
これで連敗が4になった秋田の前田顕蔵ヘッドコーチは「4クォーターの終わりに追いついたことは良かったですが、勝ちきらないといけない試合で最後にビッグショットを決められてしまった」と振り返る。「五十嵐選手やアレン選手、ウォッシュバーン選手、ダーラム選手の4人が新潟のキーマンだと分かっていたのに止めることができなかったのは、自分の責任だと思っています。結果的にウチは外国籍選手が全員いなくなってしまって、ダブルオーバータイムでは力尽きてしまいました」
外国籍選手のファウルマネジメントも今後の課題だが、3ポイントシュートも大きな課題だ。秋田は16試合を終えて3ポイントシュート成功率が25.1%でB1の最下位に沈んでいる。前田ヘッドコーチも3ポイントシュートについては「キツいですよ。キツいんですけど、誰も落としたくて打ってはいないので」と肩を落とす。
「僕は『打て』と言っていますが、今は3ポイントシュートに期待していないのが素直な意見です。ただ、そこにチャレンジするのが今シーズンです。今日はこれだけハイスコアになってしまった時点で僕たちのゲームではないですが、3ポイントシュートの確率はしんどいですね。もちろん入ってほしいですし、選手も練習をしているので、これが身となり結果として出てくるように頑張りたい」