若者を金銭的に支援する活動も検討中
ジャズのドノバン・ミッチェルは、このオフに球団と5年1億9560万ドル(約203億円)のマックス額で契約を延長した。
1年目にセブンティシクサーズのベン・シモンズとの新人王争いを盛り上げ、それからジャズの若きエースとしてチームを引っ張って来たミッチェルには相応しい契約と言える。これだけの契約を勝ち取れば、ミッチェルは一族全員を養っていけるため、経済的なことを気にせずバスケットボールだけに集中できる。
『Deseert News』とのインタビューで「努力がこの地位まで自分を押し上げてくれた。だから、僕は今後も努力を続ける。これからも僕は、人としても、選手としても変わらない。それで出た結果に納得できる。もし思うような形にならなかったら、そういう運命だったということ」と、ミッチェルは超大型契約を勝ち取った直後も冷静に自身を見つめている。
以前からコミュニティ活動に積極的に参加しているミッチェルは、今年の夏頃から盛んな『Black Lives Matter』関連の運動でも声をあげ続けている。もちろんジャズでの優勝が選手としての目標だが、彼には後世に残したいレガシーが別にある。それはバスケットボールにかかわることではなく、一人の黒人として、社会の変革期を迎えている今だからこそやるべきことだとミッチェルは話す。
「優勝は素晴らしい目標だけれど、僕はバスケットボール選手である前に一人の黒人だ。いつか自分の子供に『パパはこの活動の一員だったんだよ』と伝えたい」
「これまでもコート外での活動で恩返しをして来た。でもこれからはもっと高いレベルでいろいろなことができるようになる」とも語った彼は、経済的な事情で進学できない若者を金銭的に支援する活動など、いくつかプランを検討しているという。
彼はジャズでの成功だけではなく、引退後も社会に強いメッセージを発信できる存在でいたいと考えている。「バスケットボール選手としての寿命は10年から15年くらい。それ以前に僕は一人の黒人男性で、この世の中には不公平なことが多い。だから僕は、周りの人たちが教養を身につけて、国として成長するための役に立ちたい。自分の子供に、この社会で僕が担った役割を伝えられたらとてもうれしいね」