ドワイト・ハワード

「ジョエルの言動は、対戦相手を怒らせることがある」

セブンティシクサーズに移籍したドワイト・ハワードは、レイカーズでの1年でそれまでの評価を一変させた。セカンドユニットでの起用を受け入れ、対戦相手が用いる戦術次第でプレータイムが与えられなくても不満を言わず、ベンチから声を出してチームメートを鼓舞する姿は、以前のハワードからは想像できないものだった。

シクサーズに移籍した彼は、オールスターセンターのジョエル・エンビードの控えを務める自覚が備わっている。ハワードは、かつての自分をエンビードに重ねて見ている部分があるようで、シクサーズの入団会見でこう語った。

「ジョエルの言動は、対戦相手を怒らせることがある。それで彼は集中を保って、チームにプラスになることもあるのだろうね。ただ、これからはもっと真剣に取り組むべき時がくる。そのために、チームが一丸となって取り組まないといけない。誰かが何かを犠牲にするのではなくて、チームのみんながTPOを理解することが大事だと思う」

「自分も昔は周りから『試合に集中していない』、『ふざけすぎ』と批判されてきたから、若い選手にいろいろと伝えていきたい。チームの外にいる人からしたら、僕はふざけていたように見えたのだろうね。チームのために適切な行動を取ることが大事だから、来シーズンはそれを実行したい」

2012-13シーズンにレイカーズに在籍していた時、ハワードはコービー・ブライアントと円滑な関係性を築けなかった。その原因は、自分にも周りにも勝利のためにすべてを捧げることを要求するコービーの姿勢と、時にユーモアを交えて取り組むハワードのやり方が噛み合わなかったからと言われている。それでもレイカーズ復帰を果たした昨シーズン、ハワードはコートに入れば与えられた役割に徹し続け、チームの勝利に貢献した。

シクサーズはエンビードとベン・シモンズのデュオを軸にチームを編成。サポーティングキャストとして加わったハワードは、すでにトップクラスのビッグマンに成長したエンビードを支え、優勝するために必要なエッセンスをチームに注入する役割を担う。