ラジョン・ロンド

トレイ・ヤングを擁するホークスにとっては『勝負の年』

2020-21シーズンのプレーヤーオプションを破棄してフリーエージェントとなったラジョン・ロンドが、ホークスとの契約に合意した。レイカーズでは1年目は右手の骨折があり満足にプレーできなかったが、250万ドル(約2億8000万円)と格安の契約で残留した2年目にはセカンドユニットの司令塔として活躍。ケガがありシーズンを通じて活躍したわけではないが、肝心のプレーオフでその勝負強さを発揮し、レイカーズの優勝に大きく貢献した。

レイカーズは彼の残留を願い、またクリッパーズも彼の獲得に関心を持っていると報じられていたが、行き先はホークスとなった。2年1500万ドル(約16億円)は34歳のベテランにとっては良い契約で、サラリーキャップに余裕のないレイカーズはこれにマッチできなかった。

それでもロンドは自身のSNSで、レイカーズへの感謝の気持ちを綴っている。残留という選択はできなかったが、ケガが多いベテランの自分に重要な役割を任せたフロントやヘッドコーチ、また良くも悪くも要求の多い司令塔である自分についてきた仲間たち、そして勝てなかった時期も愛情を示してくれたファンと、ロンドはレイカーズのすべての人たちと強い結び付きがあった。

優勝を決めた直後の会見では、プレーが上手く行かない時はコート上でレブロン・ジェームズと「ポジティブな罵り合い」をしていたとロンドはうれしそうに語っていた。またフランク・ボーゲルは、将来は指導者を目指すロンドをコーチングスタッフのミーティングに加え、フィルムセッションにも参加させていた。その上で自身2度目の優勝を果たしてもいる。ロンドとレイカーズの挑戦は、最高の形で幕を閉じたことになる。

ホークスは昨シーズンに20勝47敗と大きく負け越したチーム。それでもトレイ・ヤングを軸に有能な若手が揃い、ここから強豪へとステップアップしようとしている。サラリーキャップにも余裕があり、今オフにはロンドだけでなくダニーロ・ガリナーリとクリス・ダンとの契約もまとめている。

昨シーズン途中に加入したクリント・カペラも新シーズンにはケガが癒えてプレーできる。ガリナーリとカペラはチームの主軸としてプレーするだろう。ロンドはトレイ・ヤングに続く2番手のポイントガードとして、レイカーズでの役割と同じようにセカンドユニットを引っ張ることになりそうだ。

3シーズン連続でプレーオフ進出を逃しているホークスは浮上を果たせるか。そのために必要な戦力は整った。