WNBA選手クーパーと結婚「できればロサンゼルスにいたい」
2019-20シーズン開幕を前にレイカーズと契約したドワイト・ハワードに対する風当たりは、非常に厳しかった。
マジックから2004年のドラフト全体1位指名を受けたハワードは、その後オールスター選手へと成長し、球団をNBAファイナルに導くなど、リーグ最強センターの称号を欲しいままにした。しかし、1度目のレイカーズ移籍が失敗に終わると、選手としてのエゴが強すぎたために批判を集めることになり、ケガも相次ぐようになってトッププレーヤーから転落した。
チームに『不協和音』をもたらすと言われたハワードに対し、レイカーズも当初は無保証契約しか提示しなかった。チーム内でトラブルを起こせば即契約を解除する、という姿勢である。それまでのハワードなら、プライドが邪魔してこれを受け入れられなかっただろう。だが、彼はこれを受け入れてコート上で良いパフォーマンスを出すことだけを考えた。
キャリア初のセカンドユニットという役割も受け入れた彼は、リバウンドとディフェンスに集中し、ロールプレーヤーとして活躍。シーズン序盤から西カンファレンス首位に立ったレイカーズに欠かせない戦力として認められ、シーズン終了までの契約を勝ち取った。勝負のプレーオフではネームバリューではなく結果でスタメンへと引き上げられ、自己犠牲を厭うことなくチームのために粉骨砕身。球団にとって10年ぶりの優勝、自身にとっての初優勝を見事に成し遂げた。
1年前の評価をパフォーマンスと姿勢でひっくり返した彼は、このオフにフリーエージェントになった。『トラブルメーカー』の印象を払拭した彼には強豪からもオファーが届くに違いない。ハワード本人は「できることならレイカーズに戻りたい」と心境を明かしたが、完全復活した選手として言うべきことを忘れなかった。
「今年は、チームからきちんとした契約を提示してもらいたい。それが一番大事な部分だ。もう無保証じゃやりたくない。去年は何でも受け入れる覚悟だったけど、今はきちんとした契約をもらえる権利を勝ち取ったと思っているから」
ハワードは先日、WNBA選手のテア・クーパーと婚約した。ロサンゼルス・スパークスでプレーするクーパーの存在についても触れ、「妻がスパークスでプレーしているから、できれば僕もロサンゼルスにいたいよ」ともコメント。「最愛の人に支えられるのはグレートだね。彼女が僕を正しい方向に導いてくれているんだ」と、終始笑顔を絶やさなかった。
連覇を狙うレイカーズにとっても、ハワードはできれば残したい大きな戦力だ。双方の希望通りに事が運ぶかどうか、話し合いの行方に注目したい。