トーステン・ロイブル

ロイブルコーチ「一番重要なのは情熱」

東京オリンピックに出場する『3×3』男子日本代表は今月16日から強化合宿を開始した。本日、ディレクターコーチのトーステン・ロイブルがメディア向けの取材にリモートで対応した。

今回の代表候補は3×3専門の選手や5人制と3人制の両方を経験している選手、3×3未経験の選手と幅広い選手が集められた。ロイブルコーチも「すべてのフィールドの多くの選手、これから上手くなりそうな選手を呼んだ」と語った。

特に3×3は経験が重要な競技とロイブルコーチは常々語ってきた。それだけに、新型コロナウイルスの影響で東京オリンピックが延期になったことに対しては「忘れてしまう部分もあり、どこの国もプラスに考えてはいない」と持論を語った。

そうロイブルコーチが言うように、合宿初日は5人制とのルールの違いや3×3ならではの動きに戸惑った選手もいたようだ。それでも今日の練習ではすでにアジャストし、適応能力の高さを見せているという。今後の選手選考において、ロイブルコーチは「一番重要なのは情熱」と基準を明かした。

「オリンピックでは暑い外でのゲームになり、非常にタフな状況で戦うことになる。今回のキャンプは1日に2回キツい練習をしていて、そのキツい状況で誰が良いパフォーマンスができるかを見ている」

「ディフェンスではインサイドをいかに守れるかが最大の課題。ガードはペースアップができ、インサイドのディフェンスができる選手が第一。またビッグマンはスピードのミスマッチが起こった時に解消できるかどうかも問題になる。あとは突出した能力があるかどうかを見ている。ドライブが速い選手、シュート力がある選手、パス能力に長けている選手。こうした選手たちをパズルを組み合わせるようにチーム作りを考えている」

アイザイア・マーフィー

「東京オリンピックに僕が出場できる可能性があるなら」

Bリーグ組で注目を集めたのが広島ドラゴンフライズのアイザイア・マーフィーだ。マーフィーはここまで15試合すべてに先発出場し、平均11.7得点と高いオフェンス力を披露している。U19でともに戦ったロイブルコーチの目に留まり、3×3で初の代表候補に選出された。「U19の時に素晴らしいスラッシャーで、リバウンドも強く想像力も高いと感じました。3×3に合うと思い、本人もチャレンジしたいと言っていたので招集した」とロイブルコーチは言う。

練習を終えたマーフィーは「3人制と5人制のバスケットは別物で、自分にとっては素晴らしい経験です」と、感想を語った。最も苦労した部分についてはルールの違いを挙げた。「ハーフコートですし、今までやってきたバスケットとは全然違います。コンタクトがある程度許され、フィジカルの強さの違いにも苦労しています」

Bリーグと3×3の両立は決して簡単なことではないが、マーフィーはオリンピックの舞台で活躍することを信じ挑戦を選択した。「正直、最初はケガのリスクもあるし、自分が3×3をやりたいかどうか分からなかったです。でも、東京オリンピックに僕が出場できる可能性があるなら、そのチャンスがあるならやってみようと思いました」