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ロッカールームの求心力となるJJは不可欠な存在

8月3日、キャバリアーズはフォワードのジェームズ・ジョーンズとの再契約を発表した。

キャリア13年間でペイサーズ、サンズ、トレイルブレイザーズ、ヒート、キャブズを渡り歩いてきたジョーンズは、キャリアで放ったシュートの内、およそ60%が3ポイントシュートという、完全なアウトサイドシュータータイプ。ウォリアーズに勝利し優勝した2016年を含め、ヒートに所属した2012年と13年にも、レブロン・ジェームズとともに優勝を経験している。

経験豊富で、ロッカールームでも慕われているジョーンズのことを誰よりも高く評価しているのは、チームリーダーのジェームズだ。ジェームズは以前受けたインタビューで、ジョーンズについてこう語っっている。

「JJには、自分がプレーするチームに必ず彼も来てほしいと話したことがある。引退なんて認められないよ。彼が入るロスタースポットを空けておかないといけない。過去一緒にプレーしたチームメートの中でもベストな存在だから」

ヒート時代に2連覇を達成した親友でもあり盟友でもあるドゥエイン・ウェイド以外に、ここまでジェームズから信頼されている選手は珍しい。

ジョーンズがキャブズになくてはならない存在であることを表すエピソードが、もう一つある。

2016年のプレーオフ中、キャブズの選手15人とヘッドコーチのティロン・ルーは、各々あるパズルのピースを1つずつ持っていた。そのパズルは完成すると優勝トロフィーの形になるもので、NBA優勝までに必要な16勝を挙げるため、1回戦から1勝を記録するごとに1ピースずつはめていった。ウォリアーズとのファイナル第7戦に勝利後、最後のピースをはめたのはルー。その最後のピースの形は、キャブズの本拠地、オハイオ州の形をしていたという。

このパズルの発案者こそ、ジョーンズだった。

このアイディアは、ヒート時代の『黒トロフィー』から着想を得たと、ジョーンズはキャブズの優勝後に明かしている。ジェームズとジョーンズが在籍した当時のヒートでは、プレーオフに入ると優勝トロフィーを模した黒のトロフィーを作り、選手全員が優勝に向けて全力でプレーすることを誓い、そのトロフィーにサイン。そして、1勝を記録するごとに金色のインクで印をつけていき、チームの結束を高めたのだ。

新シーズンもキャブズでプレーすることを明言しているジェームズが、まだチームとの契約を発表していない理由に関する噂は多々あるが、まずジョーンズの契約を確かなものにしてから、という考えがあったからかもしれない。隣にいなければいけないチームメートの残留が決まったことで、ジェームズもキャブズも、いよいよ正式契約を結ぶ日時を設定できるのではないだろうか。

レブロンに愛される男JJ。キャリアで39.8%の3ポイントシュート成功率を誇る。プレータイムは決して長くないが、ワンポイントシューターとして期待。