クリス・ポール

実現には3、4チーム間でのトレードが現実的

昨年のオフにポール・ジョージとラッセル・ウェストブルックをトレードしたサンダーは、昨シーズン終了後に指揮官のビリー・ドノバンも退団し、これから本格的に再建期を迎える。

辣腕GMとして知られるサム・プレスティは、若手が中心のチーム強化、そして球団経営にも優しい驚きの一手を考えているに違いない。現在のロスターで最も強力なトレードの駒はクリス・ポールだ。

ポールは、ロケッツからサンダーにトレードされた当初から優勝を狙えるチームへの移籍を希望すると言われ続けたが、若い選手が多いサンダーをリーダーとして引っ張り、終わってみれば西カンファレンス5位躍進に貢献し、あらためて選手としての価値を高めた。

そのポールを巡り、サンズが獲得を検討していると『ESPN』が報じた。もしこのトレードが実現すれば、サンズはデビン・ブッカー、ポール、ディアンドレ・エイトンという『ビッグ3』を擁するチームになる。サンズはオーランドの『バブル』で行われたシーディングゲーム8試合を無敗で終え、周囲を驚かせた。ブッカー(24歳)、エイトン(22歳)はまだ若く、そこにポールの経験が加わればチームとして一気に花開く可能性がある。

ポールに関しては強豪に移籍する噂も消えていないが、サンダーでの昨シーズンを見れば分かるように、生粋のリーダーである彼には若い選手をプレーと言葉で引っ張れる環境の方がフィットする。それに、サンズを率いるモンティ・ウィリアムズとはホーネッツ(現ペリカンズ)時代に仕事をし、指導者としての彼を尊敬している。

交換要員になるのは、ポールとポジションが重なるリッキー・ルビオらになるだろうが、最大の障壁はポールの年俸だ。2020-21シーズンの年俸は4100万ドル(約43億円)を超えるため、サンズはこのトレードに第3、もしくは第4のチームを加えて成立させる必要がある。

2010年以降プレーオフ進出を逃しているサンズだが、再建の土台はできあがっている。ポールが加われば完成度は一気に高まるだけに、続報を待ちたい。