「またどこかで道が交わることもあると思っていた」
今年1月下旬、NBAレジェンドのコービー・ブライアントがヘリコプターの墜落事故によりこの世を去った。
この報せは一瞬にして世界中に伝えられ、マイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソン、シャキール・オニールなどのレジェンドたちも悲報に涙した。事故から9カ月がたったとはいえ、今も現実として受け止められていないファンや関係者は多い。
2005年と2006年にNBAシーズンMVPに輝き、引退後の2018年にバスケットボール殿堂入りを果たしたスティーブ・ナッシュもその一人だ。先日、ネッツの新指揮官に就任したばかりのナッシュだが、現役時代にはコービーと幾度となく対戦し、チームメートだったこともある。
『New York Post』とのインタビューで、ナッシュはコービーの死について聞かれると「正直に言って、実感がなかった」と事故発生直後の心境を明かしている。「あの日はロサンゼルスでテニスをやっていて、事故のことを聞いても実感がなかった。自己防衛機能が働いたからなのか、あまりにもショックだったからなのかは分からない」
「今も現実の出来事なのか把握しかねているし、現実のこととは思えない。彼とは現役時代に対戦して、実質1年だけだがチームメートだった時もある。最後に会ったのは2016年だったと思う。いつだって彼が生きていると思っているし、またどこかで道が交わることもあると思っていた。この件については受け止めるのが難しい」
もしコービーが健在だったら、ケビン・デュラントとカイリー・アービングというスーパースターを擁するネッツのヘッドコーチに就任したナッシュにエールを送っただろう。世界中のファンと同様にナッシュもまた、コービーの死と向き合い続けている。