サンロッカーズ渋谷の石井講祐、一喜一憂しないベテランの心構え「目の前の壁を一つひとつクリアしていく」

サンロッカーズ渋谷の石井講祐、一喜一憂しないベテランの心構え「目の前の壁を一つひとつクリアしていく」

2020/10/30
石井講祐

黒星先行も「すごくネガティブになっているわけでもない」

サンロッカーズ渋谷は水曜ナイトゲームの秋田ノーザンハピネッツ戦に89-86で勝利した。チームは戦績を4勝6敗とし、勝率5割復帰まであと1歩に迫ったところでバイウィークを迎えた。

SR渋谷の石井講祐は太ももを痛めて3試合を欠場し、10月24日の宇都宮ブレックス戦で復帰した。宇都宮との2試合では本来のパフォーマンスを発揮できなかったが、秋田戦では5本中3本の3ポイントシュートを沈め、完全復活を印象付けた。

復帰後はベンチからの出場が続いているが、タイムシェアをし頻繁に選手交代をするスタイルを取っている背景もあり、石井の存在感は変わらない。石井は「フレッシュな選手がどんどん出てきて、勢いを作ることができる」とタイムシェアのメリットを語った。だが、それと同時に「良くも悪くも流れが変わりやすい」と、諸刃の剣な一面もあることを説明した。

「一気に5人全員が代わる時もあるので、新しく出る5人が共通認識をもっと持たないと、逆に詰められたりする時もあります。開幕からもったいない時間が多いと感じているので、しつこいくらいしゃべったり戦術の確認をやらないとけない」

現在は多くのチームがタイムシェアを採用しているが、つい最近までは決まった選手にプレータイムが偏ることが普通だった。プレー強度を保つにはタイムシェアが必要だが、良い流れを保ちたい時は選手交代の多さが時に逆効果になる場合もある。タイムシェアのメリットとデメリットについて、石井も「どっちもあります」と苦笑いを浮かべた。

「試合の時間帯とか、対戦相手によって良い時も悪い時もあります。ゾーンなのにマンツーマンで守ったり、少し話せば防げるようなミスが目立ったりする時間帯があることも事実です。一人ひとりがコートに立った瞬間に集中して、当事者意識をもっと持たないといけないとは思います」

石井講祐

「 危機感を持ってやらなければいけない認識はあります 」

SR渋谷は徹底したタイムシェアと強度の高いディフェンスを軸に、天皇杯を制するなど昨シーズンに飛躍を遂げた。継続路線を歩むことは当然で、今シーズンも東の上位に食い込むことが予想されただけに、10試合を消化して黒星が先行していることは少なからずファンを驚かせているに違いない。敗れた相手は東地区上位3チームと、西の2位のシーホース三河とあって、強豪との対戦が続いたことが勝ち星が伸び悩んだ理由だ。

もちろん、強豪が相手だからといって負けてもいい理由にはならない。「余裕があるわけではないですし、もっと危機感を持ってやらなければいけない認識はあります」と、石井も感じている。それでも、まだシーズンの6分の1が終わっただけであり、そこまで悲観的になる必要はないとも石井は言う。

「60試合でチームを作っていく中で、一つの勝ち負けで感情を揺らしていると、チームとして何が大切かということがブレてしまう。僕らはそれを作り上げている段階だと思うし、勝つことは大事ですが、あきらめずに細かいことをやり続けることのほうが大事だと思っています。もちろん軽い感覚で受け止めていないですし、でもだからといってすごくネガティブになっているわけでもないです。目の前の壁を一つひとつクリアしていく感じですね」

結果が出ない時ほど、自分やチームを信じられなくなりやすい。だからこそ、石井のように程よい感覚で現実を認識することが選手には求められる。一喜一憂しないベテランがチームを浮上させるカギとなる。

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