前半のリードを最後まで維持し勝利をつかむ
千葉ジェッツvsアルバルク東京の水曜ナイトゲーム。千葉の大野篤史ヘッドコーチが「自分たちのディフェンスのシステムを信じて、選手が40分間コンタクトを嫌がらずタフに戦ってくれたことが勝利に繋がった」と語ったように、A東京のピック&ロールを封じた千葉が82-73で勝利した。
前半は千葉が主導権を握る。A東京のオフェンスの軸であるピック&ロールを封じ得点を与えない。アレックス・カークが中に入ろうとしても、カバーに入ったセバスチャン・サイズがインサイドで待ち構えシュートを打たせない。ポストプレーもギャビン・エドワーズとサイズのダブルチームで抑え、前半はカークを5得点に抑えた。
そのディフェンスの勢いはオフェンスにも繋がる。タフショットを打たせてはリバウンドからの速攻に持ち込み、前半はファストブレイクポイントでも5-0と差をつける。バックコート陣も前線からプレッシャーをかけることでターンオーバーから7得点を奪うなど、まさに堅守速攻を体現した。
対するA東京はピック&ロールとビッグマンのインサイドプレーが通用しないと分かると、安藤誓哉、小島元基、須田侑太郎、ザック・バランスキー、カイル・バローンのスモールラインナップに切り替える。しかし、千葉の前線からの激しいディフェンスに苦戦し、パスを出せず強行突破のドライブが続く。さらに、スモールラインナップにしたことで、ディフェンスではミスマッチを突かれてしまう。インサイドを圧倒され、セカンドチャンスポイントでも0-6にされるなど、攻守に渡りA東京らしいプレーができないまま前半を終える。
38-27と千葉がリードして迎えた後半。ここからA東京の逆襲が始まる。縦へのピック&ロールではなく、高い位置で横へのピック&ロールやドライブからのキックアウトから外角シュートと攻め手を変えて得点を重ねていく。カークは無理に攻めるのではなくスクリーナーとリバウンドに徹し、シューター陣だけでなく竹内譲次もアウトサイドシュートを積極的に狙い、第3クォーターでは3ポイントシュートだけで15得点を奪った。こうして各々が役割を全うしリズムをつかむと、第3クォーターの残り約4分で5点差まで点差を縮めた。
しかし、千葉はこの試合で25得点を記録したシャノン・ショーターがボールプッシュすることでオフェンスでの重い流れを払拭する。ショーターに引っ張られるように全員が再び走り出し、トランジションバスケで迫り来るA東京を再び突き放して61-53で最終クォーターへ。
後半はA東京が外角シュートで追い上げるも逆転ならず
千葉は走るバスケ、A東京は外角シュートと対照的なオフェンスを展開する。2点を着実に積み上げる千葉に対し、A東京は引き続き3ポイントシュートで点差を詰めていく。そして、クラッチタイムに入ると田中大貴のアシストを受けた須田の3ポイントシュート、カークのセカンドチャンスポイントで連続得点を挙げる。さらに田中のフリースローで、残り1分20秒で76-73と3点差まで迫る。
しかし、ここでショーターがフェイントを入れたドライブで須田からファウルを誘いバスケット・カウントに。 14得点とオフェンスを引っ張っていた須田がファウルアウトとなり、ショーターがフリースローもきっちりと沈め79-73とリードを広げて試合を決めた。
千葉は何度も点差を縮められたが、一度も逆転を許さず快勝を収めた。千葉はターンオーバーからの得点で14-7、ファストブレイクポイントでも15-0と圧倒。中盤では富樫勇樹が目を負傷しコートを離れるアクシデントもあったが、全員がハードなディフェンスを遂行することで勝利をつかんだ。
ゲームハイの27得点と11リバウンドを記録したサイズは、試合をこう振り返った。「最初からアグレッシブにいこうと考えていました。チームの勝利に貢献しようと思っていて今日はそれができた。こういうタフな試合のためにみんな頑張って練習しているので、今日はすべてを出し切る気持ちでやりました」
この試合ではA東京はケビン・ジョーンズがケガのため欠場となり、外国籍選手はカークとバローンのみと高さ的不利があったことは否めない。それでも千葉は最後まで自分たちのバスケットを遂行し、チーム一丸でA東京とのライバル対決を制した。
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