朝山正悟

「みんながこの敗戦の中からちゃんと学ぶことが次に繋がる」

広島ドラゴンフライズは、10月16日、17日に行われた第3節の川崎ブレイブサンダース戦に連敗。前節のアルバルク東京戦と合わせての4連敗で、B1トップチームの壁の高さを実感することになった。ただ、16日は35点差での大敗だったのが、17日は2点差とあと一歩まで迫る進歩を見せた。

17日の惜敗について、この試合で3本の3ポイントシュートを含む11得点、6リバウンドを挙げたチームリーダーの朝山正悟は試合後にこう振り返った。

「今日は非常に残念な、悔しい敗戦でした。昨日、完膚なきまでにやられましたが、今日は出だしから食らいついて、良い流れもありました。最後はやはり先週のA東京さん同様にゲーム巧者のところで差が出てしまいました」

そして、試合終盤までもつれる熱戦を繰り広げられた理由をこう分析する。「昨日と一番違ったのはチームとしてやるべきことを遂行できたことです。どうしても個で戦ってしまうのが強いチームとの決定的な違いで、強いチームにそういったことをやってしまうと昨日のような試合になってしまいます。今日はその部分でシュートを打つべき選手が打つ。インサイド、ガードがそれぞれの役割を行った結果、良いところまでいきました。ただ、最後は少しこちらが我慢できなかったです」

前日の大敗から一転しての接戦を繰り広げたことは、広島にとって収穫と言えるだろう。しかし、朝山は「30点差でも2点差でも負けは負け。手応えは勝ってこそです」と冷静にとらえている。広島は第3節のA東京戦も第4クォーター途中まで食らいつくも敗れており、上位相手に勝つことの難しさに直面しているところ。この壁を乗り越えるために何が必要なのか。

朝山は言う。「昨日と今日で何が違うのか、みんながこの敗戦の中からちゃんと学ぶことが次に繋がるものと思います。手応えに関しては今日のほうがやれた。ただ、最後に勝たないといけない。そのためには最後までみんながそれぞれの役割を全うしないといけない。まだまだ、足りない部分がたくさんあると思います」

朝山正悟

「自分のいる意味をもっと出していきたい」

外国籍を含めB1でのプレー経験がない選手が多い広島にとって、A東京、川崎との連戦はまさにBリーグのトップと自分たちの立ち位置を知る絶好の機会となった。一方、かつてアイシン、三菱電機などで長らくトップリーグで活躍していた朝山個人にとっては初のB1ではあるが、トップチームとの対戦は久しぶりという感覚でもあった。

「この舞台、対戦相手のメンバーを見ても久しぶりという思いはあります。だからこそ、トップチームと戦えるやりがいは感じています」

他の選手にはない経験値を持っているからこそ「自分のいる意味をもっと出していきたい。コートでしっかり表現できる部分に加え、それ以外でももっと貢献できるようにしていきたい」と、コート内外でよりチームを牽引していきたいと意気込んでいる。

21日の相手は名古屋ダイヤモンドドルフィンズで、朝山にとっては広島に加入する2015-16シーズンの前に2年間在籍していた古巣である。過去2週間で得た教訓を糧に、ここで名古屋Dに勝つことができたら広島にとって大きな勢いのつく白星となる。そのためには39歳にして健在ぶりを示す朝山の3ポイントシュートが必要となってくる。