SR渋谷は一時12得点のリードを奪うも維持できず
10月10日、サンロッカーズ渋谷がホームに千葉ジェッツを迎えた一戦。最後までもつれる激闘となったが、ギャビン・エドワーズの試合終了とともに決まるブザービーターを許し91-93でSR渋谷が接戦を落とした。これでSR渋谷は開幕3連敗 、一方の千葉は開幕3連勝となっている。
試合は第1クォーターを互角で終えると、第2クォーターに入ってもオフィシャルタイムアウトの時点で34-34と膠着状態は続く。しかし、ここからSR渋谷はガード陣が前から激しく当たるディフェンスによって、千葉のオフェンスのリズムを崩し試合の流れを引き寄せる。そしてライアン・ケリーの連続得点によって突き放し、45-39と先行して試合を折り返す。前半のSR渋谷はパスがよく回り、チームオフェンスがしっかり機能。ケリーの10得点を筆頭に6人が5点以上を、さらに11人が得点と見事なボールシェアを展開した。
さらに第3クォーター早々、SR渋谷はファストブレイクからリードを12点に広げるが、ここから千葉が反撃。守備のプレッシャーを強めSR渋谷にタフショットを打たせ得意の走る展開に持ち込むと、残り4分12秒にはこの試合がBリーグデビューとなった新外国籍シャノン・ショーターの得点で57-55と逆転する。しかし、SR渋谷も石井講祐の3ポイントシュート、関野剛平のレイアップなどで応戦して盛り返す。
第4クォーターに入っても一進一退の攻防は続いていくが、インサイドで主導権を握った千葉がエドワーズのフリースローによる残り53秒で5点リードと抜け出しにかかる。だが、ここからSR渋谷はチャールズ・ジャクソンがオフェンスリバウンドから押し込んでバスケット・カウントに。さらに残り5秒にはケリーがオフバランスからのタフショットを沈め土壇場で91-91と追いつく。
ただ、直後のラストポゼッションで千葉はボールをもらった富樫勇樹がゴール下に切れ込み複数の相手ディフェンスを引きつけると、絶妙なタイミングで彼の動きに呼応してきたエドワーズにパス。これをエドワーズがねじ込んで劇的勝利を収めた。
大野篤史ヘッドコーチ「修正するべき点が多くあったゲーム」
千葉の大野篤史ヘッドコーチは「多くのミスが出てターンオーバーからの失点、オフェンスリバウンドからのポイントをあれだけ取られた中で勝てたのは大きいです。ただ、明日に向けて修正するべき点が多くあったゲームだと思います」と総括する。
かつてNBL時代の広島ドラゴンフライズでも同僚だった新戦力ショーターについて、前半で強引なプレーからシュートミスも多く2得点だったのが、後半は効果的なアタックで16得点と大きな違いをあったことを踏まえこのように語る。
「前半は酷かったです。後半はしっかりエナジーをもって、相手に渡ったモメンタルを彼のパフォーマンスで奪い返してくれた。チームを勢いづけてくれたと思います。ただ、前半のような緩慢なバスケットボールをしたらプレータイムが減っていく。後半のようなプレーをしてくれればチームにとって良い武器になってくれると思います」
石井講祐「1つ、2つのリバウンド、1本のイージーシュートという差」
一方、SR渋谷は開幕節のシーホース三河戦(78-82、87-89)を含む3試合連続での惜敗。伊佐勉ヘッドコーチも「先週と同様にクロースゲームを落としてしまって疲れております」と試合後の会見で語ったように、心身ともにダメージが残る苦しい結果となった。ただ、「自分たちらしいバスケットは先週よりもできています」と指揮官は確かな進歩も考えている。
これには、10得点を挙げた石井も同じ考えだ。「先週に比べると確実にステップアップしています。自分たちが準備してきたことを表現できたのは、プラスにとらえて良いところだと思います」
とはいえ、内容の向上を勝ちにつなげないとチームは前進していけない。石井はこの僅かな差を埋めて第2戦こそ勝利をつかむために必要なことをこう語る。「結果、負けてしまったのは1つ、2つのリバウンド、1本のイージーシュートという差でした。こういうクロースゲームになった時、チーム全体での共通認識によるオフェンス、ディフェンスの精度を上げていかないと勝てないです。ミスが起きた時に続いてしまう時間があるので、そこでもっとハドルを組んだりして、共通認識を確認できる行動をしていきたいです」
SR渋谷にとっては開幕からのホーム4連戦を全敗で終えることは何としても避けたい。本日の第2戦におけるキーポイントは、両チームの指揮官が揃って試合後の反省点に挙げていたオフェンスリバウンド。第1戦ではSR渋谷が24、千葉は20を記録。第2戦では、相手のセカンドチャンスをいかに減らすことができるかに注目だ。