若手の力を引き出すという『新たな挑戦』
レブロン・ジェームズ獲得に沸くレイカーズファンが次に期待しているのは、カワイ・レナードの獲得に違いない。もっとも、レイカーズが興味を持ったとしても、スパーズの合意を取り付けるのはそう簡単ではない。ブランドン・イングラム、ロンゾ・ボール、カイル・クーズマの誰かを交換要員として差し出すぐらいのオファーでなければ交渉はまとまらないだろう。
それでもレイカーズが次のシーズンですぐに優勝を狙うのであれば、レナードはどうしても欲しい戦力。こうした強行路線も十分に考えられる。だが今のところ、若手コアを放出する動きはレイカーズサイドからは見られない。
レイカーズは、レブロンに続いてベテランのラジョン・ロンド、ジャベール・マギー、ランス・スティーブンソンという『個性派』を獲得。攻守両面に優れるケンテイビアス・コールドウェル・ポープとも再契約を結んだ。このメンバーで新シーズンを迎えても、きっとプレーオフには進出できる。ただ、デマーカス・カズンズを加えた王者ウォリアーズ、対抗馬ロケッツ、確たる力を備えつつあるサンダーやジャズより上の順位に立てるかどうかは未知数だ。
これでは優勝できる環境を求めたレブロンの意図に反するのではないか。しかし『ESPN』は、レブロンがレイカーズに今夏スター選手を獲得することを強いていない、との見方を伝えた。
33歳のレブロンは、先週レイカーズと4年1億5400万ドル(約170億円)の契約に合意したことを発表。4年目はプレーヤーオプションになるようだが、言い換えれば、少なくとも3年の猶予をレイカーズに与えたということ。来シーズンを通じてイングラム、クーズマ、ボールの力を引き出し、その上で来オフにレナード、ケビン・デュラントら大物フリーエージェントの獲得に動く方が、その先までも見据えたチームの将来にとってはプラスにはたらく。
レブロンは、マジック・ジョンソンと面会した際、チームのプランを信じることを決めた。もしマジックが若手コアの力を評価しているのであれば、彼らを次のステップに導くことが新リーダーであるレブロンの役割になる。
キャバリアーズ時代、ヒート時代、二度目のキャブズ時代も含め、レブロンは若い選手の力を引き出すタイプではなかった。もしレイカーズが若手コアを解体せず、かつ第2のスター選手を獲得しないまま来シーズン開幕を迎えるのなら、レブロンにとっても新たな挑戦になる。