デマーカス・カズンズが移籍の真相を語る「オファーがなかったことが屈辱だった」

2018/07/06
NBA&海外
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デマーカス・カズンズ

写真=Getty Images

ウォリアーズ移籍をカズンズ自身が代理人に提案

レブロン・ジェームズのレイカーズ移籍が決まった翌日、NBAにまたも大きなサプライズが起こった。ペリカンズからフリーエージェントになったデマーカス・カズンズが、なんとウォリアーズとの単年契約に合意したと報じられたのだ。

ステフィン・カリー、ケビン・デュラント、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンの4人に、もう一人のオールスターであるカズンズが加わる。テレビゲームでしか実現しないラインナップが、まもなく現実のものになろうとしている。

合意情報が報じられると、カズンズの決断を批判する声が続出した。しかしカズンズには言い分があった。カズンズは『The Undefeated』に、どのチームからもオファーがなかったことを明かしている。

フリーエージェント選手の交渉が解禁された7月1日の夜、シーズンオフを過ごすラスベガスの自宅で眠れず、朝まで起きていた。それもこれも、どのチームからもオファーがなかったからだった。そして太陽が昇った2日の早朝、カズンズは一つの決断を下す。代理人に電話をかけ、「ウォリアーズに連絡を入れてみないか?」と自ら提案したというのだ。

そこから話は一気に進んだ。朝8時過ぎにはウォリアーズのボブ・マイヤーズGMにカズンズ本人が電話をかけ、自分の獲得に関心があるかを聞いたという。マイヤーズがカズンズとのエピソードを話せるようになるのは、フリーエージェント選手との契約が可能になる7月6日からなので、いずれまた興味深い話が出るだろう。

「オファーがなかったことが屈辱だった」。カズンズは怒っていた。「ショックを受けたよ。あの晩は感情的になったし、辛かった。でも俺はこういう場合に備えてきたんだ」

ウォリアーズがカズンズを獲得するには、530万ドル(約5億9000万円)のミッドレベル例外条項を使うしかない。今年1月下旬に左足アキレス腱断裂という重症を負ったカズンズはそれまで、今夏ペリカンズと5年1億5000万ドル(約166億円)という条件で再契約すると見られていた選手だ。これだけの価値のある選手だったが、ペリカンズを含め、他の球団もリスクを考えてしまったのだろう。復帰までにかかる時間とコスト、ヘッドコーチとの衝突など過去の素行も含め、チームにフィットしないと判断されてしまう材料は十分過ぎるほどあった。

2017年のオールスターゲーム直後にキングスから放出されて失意を味わったカズンズは、それから1年半後、ペリカンズからも『不要な選手』という烙印を押されてしまった。

話を戻そう。カズンズはマイヤーズに連絡を入れた後、休暇中だったデュラント、カリー、グリーンに電話をかけ、ウォリアーズにミッドレベルで加わることを検討していると話した。すると彼ら3人は大喜びし、カズンズに「大歓迎する」と伝えたという。

特にカリーの喜びようはすごかったらしく、カズンズは「ステフは発狂するくらい興奮していた」と話している。そしてデュラントは、『The Undefeated』の取材にメールで応じ「勝者のカルチャー、チームの連帯感がデマーカスの加入に繋がった」とコメントした。

ウォリアーズ移籍を「これが俺にとってスペードのエースであり、チェスの詰め手だ」と表現したカズンズは、順調にリハビリを進めている。本人はトレーニングキャンプ時期にはプレーできるまでに回復していると言うが、ウォリアーズは復帰を急がせず、十分な時間を与えてコンディションを整えさせるだろう。カズンズに無理をする必要はなく、肝心なレギュラーシーズン後半戦、あるいはプレーオフに間に合えばそれで良い。

カズンズのウォリアーズ移籍は、早ければ6日に正式発表となる。ウォリアーズにフィットするかを疑う声が後を絶たないが、カズンズには関係のない話だ。彼は、手負いの状態とはいえ、誰も自分に契約をオファーしなかったことに腹を立てた。来シーズンは、自分を迎え入れてくれたウォリアーズ以外の全方位を標的にし、コートで怒りをぶちまけるだろう。もしペリカンズ戦に出場する機会に恵まれれば、41得点23リバウンド6アシストを記録した昨シーズンの敵地でのキングス戦の時と同様に、パフォーマンスで借りを返す腹積もりのはずだ。

たとえ1年限定の加入になったとしても、来年の夏、カズンズは優勝リングとともに高笑いしているに違いない。