「安藤選手にやられないようにディフェンスを意識」
川崎ブレイブサンダースはアルバルク東京との2020-21シーズン開幕節を1勝1敗で終えた。
ともに激しいディフェンスを持ち味とするチームだけあって、2試合ともにロースコアゲームとなり、特に第2戦は第1クォーターが両チームともに1桁得点の8-7になる重い展開となった。
第1戦でベンチスタートながらチームハイの21得点を記録した藤井祐眞は 、第2戦ではディフェンス強化の意味で先発に抜擢された。「昨日は安藤(誓哉)選手と田中(大貴)選手にやられてしまったので、その2人に付くという意図でスタメンが変わったので、今日は安藤選手にやられないようにディフェンスを意識して入りました」と藤井は言う。
第1戦では安藤に18得点6アシストを許したが、勝利した第2戦は7得点2アシストに抑えた。もちろん、タイムシェアをしっかり行うチームスタイルだけに藤井だけの力ではないが、試合序盤から安藤に激しくマークし、好きなようにオフェンスを組み立てさせなかったことは大きい。
しかし、シュートタッチに苦しんだのは安藤だけでなく藤井も同じだ。第2戦では3得点2アシストに留まったが「試合によっては入る時もあれば入らない時もあるので、そこは打ち続けるしかない」と一喜一憂しない。アグレッシブに攻めての得点も魅力だが、ハードなディフェンスを1試合を通して遂行し、チームにエナジーを与えることができるのも藤井の強みだ。
「2勝しておきたかったのが本音です」
今シーズンは東西の2地区制となり、川崎は強豪が集う東地区に属している。外国籍選手含め全選手が合流している川崎に対し、A東京は外国籍2選手が合流できていない状況だ。さらに川崎は帰化選手のニック・ファジーカスもいるため『オン3』も起用でき、高さ的に有利な状況だった。しかし、初戦を落としてしまい「アルバルクさんは万全の状態ではなかったですし、そういう時に2勝しておきたかったのが本音です」と言うと、藤井はこう続けた。
「僕たちは全員合流できていて、アルバルクさんは外国籍選手2人が合流できていない中での試合ということは、前から分かっていました。試合前のミーティングでも、無意識的にどこかで『行けるだろ』みたいに思っていた部分が試合の出だしに表れていたと言われましたし、意識はしていなくても心のどこかにそういう気持ちがあったのかなと思います。それでも、2戦目はリベンジすることができて良かったです」
A東京を相手に自分たちのディフェンスを遂行し、オフェンスの調子が悪くても我慢して最後まで戦い抜いたことは彼らにとっても自信になる。藤井は言う。「こういう試合をモノにすることによってチーム力はどんどん上がると思います。シーズンを通してこういう試合を勝ちきれるように、どんどん高めて行きたいです」
昨シーズンは『ベスト5』、『ベスト6thマン賞』、『ベストディフェンダー賞』の3冠を達成し、チームの地区優勝に大きく貢献した藤井は、今シーズンも攻守に渡って川崎の起爆剤になるに違いない。