ヘッドコーチを解任し、チーム刷新を選択したペイサーズ
ペイサーズのオールスターガード、ビクター・オラディポが退団の意向であると『The Athletic』が報じた。
オラディポは2017年にポール・ジョージのトレードでサンダーから加入した。加入後1年目のシーズンで平均23.1得点、4.3アシスト、リーグトップの2.4スティールを記録し、最も成長した選手に送られるMIP賞を受賞した。ペイサーズでプレーした3年間で2度オールスターにも選出されている。
しかし、2019年1月に右足大腿四頭筋腱断裂の重傷を負い約1年戦列を離れた。今シーズン途中に復帰するも、ケガのブランクを埋めるのは簡単ではなく、プレーオフを含む23試合の出場に留まり、最後まで本来の爆発力は取り戻せないままシーズンを終えた。かつてのエースはマルコム・ブログドン、TJ・ウォーレンに次ぐサードオプションに格下げとなり、ドマンタス・サボニスがケガから復帰すればさらに役割は減ると予想される。
オラディポは先日『Forbes』の取材で4年契約の最終年となる来シーズンが勝負の年になると語っていた。「僕にとって大事な年になることは分かっているし、集中してレベルを1段階上げなければいけない。ただ、僕は追い込まれて力を発揮するタイプなんだ。僕は常に過小評価されているような気がする。僕の人生はいつもそうだった。でも今回はまた別のレベルの話になる。来シーズンは僕のキャリアの大きな足がかりになるから、とても真剣に受け止めているし、楽しみでもある。それに向けてしっかり努力したい」
ペイサーズのケビン・プリチャードGMは先月、「ビクターについては急いで決断するつもりはない。どうなるかは彼次第だ。選択肢は彼が握っている。彼は初めて選択肢を手に入れたわけだ。行きたいチームに行けるし、やりたいようにやれる」と、オラディポについてコメントしていた。
オラディポが移籍を決断するとなれば、興味を示すチームは多いはず。ケガの影響は抱えていたものの『バブル』に参加し、調子が上がらなくてもプレーオフまで戦い抜いた。完全復活を遂げればエースを担うことのできる才能の持ち主であり、コンディション面のリスクがある分だけトレードでの獲得はしやすい。例えば、マーベリックスはオラディポを補強できればエースのルカ・ドンチッチの負担を軽減できる。ラプターズもフレッド・バンブリートが契約延長に応じなければ、代役として目を付ける可能性がある。ニックスは以前からオラディポの獲得を狙っていると報じられている。セルティックは、インディアナ州に自宅があるゴードン・ヘイワードにドラフトピックを付けた条件を提示できる。
ペイサーズは5シーズン連続プレーオフ1回戦敗退、プレーオフ9連敗となり、指揮官のネイト・マクミランを解雇して新たなヘッドコーチを探し始めたばかり。いずれにせよ今後しばらくはオラディポの動向から目が離せそうにない。