ファンの目に付かないところでハードワークをこなす「裏方」が夢の舞台を支える

プロスポーツの世界の花形が選手だとすれば、黒子にあたるのが影で支える裏方のスタッフたちだ。

裏方と言ってもその役職は多種多様で、トレーナー、メディカルスタッフに限らず、選手たちが使う用具の管理を一手に任されている者もいる。今回はバックスの用具マネージャーが遠征の際にどんな仕事をしているのかを、チーム公式チャンネルが追った。

バックスの用具マネージャーを務めるのはジェイ・ネイモック。1994年から2007年までロケッツで、2012年から現在までバックスで用具係を担当しているベテランだ。

今回紹介しているのは西海岸への遠征6日間(3試合)のケース。ネイモックは遠征開始の1週間前からパッキングを始める。選手のジャージ、アップ用のウェア一式を準備。ジャバリ・パーカーのように、ハーフタイムにジャージーを着替える選手がいれば、詰め込むジャージーの数はその分増える。

チャーター機でチームとともに移動したネイスミスは、空港ですべての荷物をトラックに乗せ換えてホテルに搬送する。「個人」、「メディカル」、「用具」に分類された荷物をホテルですべて降ろし、それぞれの部屋に運び込む。

NBAの場合、前夜の試合が終わってからそのまま次の試合開催地に移動し、深夜にホテルに到着することも少なくない。その時は早朝のシュート練習がなくなるが、それでも体を動かしたいと希望する選手のために、ホテルの室内に疑似コートを作る。テーピングを使い、実際のコートと同様のラインを床に描き出すのもネイモックの仕事だ。

ロッカールームに常備するものも敵地では現地調達。ガムやグミなどのキャンデー類、ボディシャンプー、ローションをドラッグストアなどで購入。バックスではミントガムが最も人気があるそうだ。

それが終わると選手、スタッフより一足早く会場入り。試合用のジャージー、ロッカーで履くサンダルなどを準備。この時は、ホームチームのスタッフがバスから対戦チーム用具の搬入と搬出を手伝ってくれるのだとか。

あこがれのNBAで働くことは名誉だろうが、ハードワークだし、遅れやミスの許されない責任の重い仕事でもある。まさに「裏方」と呼ぶにふさわしい、普段ファンが目にすることのできないシーンだが、彼のような人たちの献身的な働きが、NBAを支えていると言っても過言ではない。

このシリーズにはまだ続きがあるようなので、機会を見て紹介していきたい。