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ロンゾ・ボールはセカンドユニットに配置換え?

一夜にしてNBAの話題を独占したレイカーズが、またも『個性派』をロスターに加えた。7月2日、ペリカンズからフリーエージェントになったポイントガードのラジョン・ロンドが単年契約に合意したと、『ESPN』が伝えたのだ。これでレイカーズはレブロン・ジェームズ、ランス・スティーブンソン、ジャベール・マギーに続き、トップクラスのポイントガードまで手にしたことになる。

ロンドの加入により役割が著しく変化しそうなのは、NBA2年目を迎えるロンゾ・ボールだ。これまでのキャリアを見ても、ロンドはベンチ起用を受け入れる選手ではない。『第2のヘッドコーチ』とも言えるほど戦術眼に優れ、対戦チームの戦術にも通じている。また、パスセンス、ゲームメーク力は現役選手の中でも群を抜く力の持ち主。実力だけで考えれば、先発がロンド、ベンチからロンゾが出て行く、という序列は明確だ。

もちろん、プレシーズンの内容、ケミストリーの変化によってロンゾが先発に起用されるケースも考えられる。しかし、レブロン加入に伴い、レイカーズが今後も実力者を獲得する流れは止まらない。つまり、彼らは『レブロン体制元年』から勝ちにいく姿勢を明確に打ち出し始めたのだ。素晴らしいポテンシャルを秘めていてもロンゾはこれからの選手で、現時点では優勝レベルのチームの舵取りを任せられる力量はない。ロンド獲得は、球団社長のマジック・ジョンソンがそう考えた結果ではないだろうか。

レブロンとロンドによるケミストリーは未知数だ。しかし、現役最強選手のレブロンは、良くも悪くもすべてをトップレベルでこなせるオールラウンダーで、昨シーズンはカイリー・アービングがセルティックスに移籍したこと、正ポイントガードとして期待されたデリック・ローズが負傷離脱したことなどの影響から、キャバリアーズのポイントガードという役割も担わなければならなかった。だが、やはり『餅は餅屋』に限る。それはレブロン本人も理解していることで、昨シーズン終盤にも「チームにはプレーメーカーがいない」と嘆いていた。生粋の司令塔にゲームメークを託せば、それだけフォワードとしての役割に徹することができる。

むしろ新たな環境でレブロンが発揮すべきはリーダーシップだ。王者ウォリアーズで2連覇に貢献したマギーはチームプレーヤーとしての役割に徹するだろうが、スティーブンソンやロンドという『個性派』な集団の中で浮いてしまいがちだ。そんな2人がバックコートを形成し、おそらく今後も『職人』タイプのベテランたちが加入を希望すると考えれば、ロスターを繋がった一本の線にできるかはリーダーであるレブロンの力量にかかってくる。

わずか2日で各ポジションの戦力アップに成功しているレイカーズ。名門再建プロジェクトは、着々と進んでいる。