レブロン・ジェームズ

38得点16リバウンド10アシストを記録

レイカーズが3勝1敗とリードして迎えた西のカンファレンスファイナル第5戦。それでもナゲッツはファーストラウンドではジャズ、セミファイナルではクリッパーズを相手に1勝3敗から逆転してきたチーム。レイカーズとしては相手を追い詰めたとはいえ、ここで1敗すると形勢逆転となりかねない緊張感のある試合となったが、ここでシリーズ最高とも呼ぶべき勝負強さを見せ、117-107で勝利。リードしながら第3クォーター終盤に一度は追い付かれるも、その後は突き放して西カンファレンスを制した。

まだ両チームとも様子見の開始6分、ニコラ・ヨキッチが2つ目のファウルを犯してベンチに下がる。ジャマール・マレーとともにナゲッツを引っ張るヨキッチが前半はわずか8分しかプレーできなかったことで、レイカーズが主導権を握った。

それでもナゲッツは、チーム一丸のディフェンスで10点前後のビハインドのまま踏ん張るのだが、10点ビハインドで後半に入って早々に、強引にアタックを仕掛けたマレーが右ひざを痛めてしまう。その後もマレーは足を引きずる状態でプレーを続けたものの、ドライブに飛び込む力強さはなかなか発揮できなかった。

だが、ナゲッツはここで他のメンバーが奮起。ポール・ミルサップ、ジェレミー・グラント、またベンチスタートのマイケル・ポーターJr.やモンテ・モリスが両エースの分までアタックしてレイカーズに食らい付く。第3クォーター残り2分半でヨキッチがまたもファウルでベンチに下がるも、ここからマレーがアタックを解禁。9-2のランで一度は同点に追い付いた。

ヨキッチがファウルトラブル、マレーが右ひざを痛めながら最大16点のビハインドを帳消しにし、接戦に持ち込んだナゲッツは、終盤での逆転に自信を持っていたはず。だが、それを許さなかったのはレブロン・ジェームズだ。この試合でいつも以上のエナジーで攻守に奮闘していたレブロンは、最後の勝負どころでエンジン全開。まるでキャバリアーズ時代のようにほとんどのポゼッションで自分から仕掛け、第4クォーターだけで16得点を記録した。

ファウルトラブルの縛りから解放されたヨキッチの奮闘で、ナゲッツは残り4分半で4点差まで差を詰めたのだが、そんなナゲッツの『終盤力』までレブロンはねじ伏せ、レイカーズが最終スコア117-107で勝利している。

レブロンは38得点16リバウンド10アシストと、ほぼヨキッチとマレーの2人分の仕事をやってのけた。「僕の仕事は正しいプレーを選択すること。今日はそれをやったつもりだ」と試合後にコメントしたレブロン。レイカーズでは周囲のタレントを生かす意識が強く出ているが、この試合における「正しいプレー」は、自分で勝利をもぎ取りにいくことだった。

これでレイカーズはNBAファイナルへ進出。ヒートとセルティックスの勝者と対戦する。