イグダーラが称賛「カリーに似ている」
2019年のNBAドラフトは豊作だった。ザイオン・ウイリアムソンという規格外のスター選手がいて、ジャ・モラントはその上を行ってルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。だが、この2人が舞台を降りた後のNBAで主役へと躍り出たのは、1巡目13位でヒートに指名されたタイラー・ヒーローだ。
急成長を続ける彼は『バブル』でのシーズン再開からこれまで以上の力を発揮。特にプレーオフに入ってからは得点、リバウンド、アシストのすべてを伸ばしている。プレーオフでの平均得点はここまで16.5。だが、ヒートが予想を上回る躍進でカンファレンスファイナルまで勝ち進んでいることもあり、数字以上のインパクトを残している。
そのインパクトは、試合を決定づけるような場面での活躍によってもたらされたもの。アンドレ・イグダーラは彼の才能をステフィン・カリーの名前を持ち出してこう説明した。「ステフと比べようとは思わないが、ステフもタイラーも間違いなく『持っている』プレーヤーだ。ボールハンドリングに長けていて、シュートに入るまでの動きは似たところがある」
もちろん、ヒーローはまだこれから経験を積まなければいけない立場で、カリーと比較するのは時期尚早だ。それでも現時点で、ヒートが発掘したタレントが今後長くチームの主力として働くであろうことはほぼ間違いないし、カリーのような選手に成長するのを見守るという『夢』もできた。
これまでヒートのルーキーがプレーオフで挙げた1試合最多得点はドウェイン・ウェイドの27だったが、セルティックスとのカンファレンスファイナル第4戦でヒーローは、これを大きく塗り替える37得点を記録している。
その期待値の高さはジャージーの売れ行きにも表れている。今、NBAプレーヤーで最も売れているのはヒーローのネームナンバーが入ったヒートのユニフォームだと『The Action Network』のダレン・ローベル記者が明かした。ヒートはしばらく低迷が続いていただけに、今の快進撃にファンが興奮しているのは当然だ。若い力で躍進するチームを象徴するヒーローに人気が集まるのも当然と言える。