先発起用のハワード、ヨキッチを抑える殊勲の働き
西のカンファレンスファイナル、レイカーズvsナゲッツ。先に2つ勝ったレイカーズと、一つ取り戻したナゲッツの第4戦はまたも混戦に。それでもナゲッツの粘りに苦しみながらもリードを守り続けたレイカーズが114-108で競り勝った。
レイカーズはジャベール・マギーに代えてドワイト・ハワードを先発起用。過去3試合、ニコラ・ヨキッチにフェイスガードで貼り付いてフラストレーションを与える役回りで結果を出してきたハワードは、ヨキッチを削るのではなく良いポジションに入れさせず、シュートチャンスを与えない落ち着いたディフェンスを披露。さらにはリバウンドでヨキッチ以上にボールへの執着心を見せ、オフェンスリバウンドを押し込むセカンドチャンスポイントでレイカーズにリードをもたらした。
アンソニー・デイビスがミドルレンジからのジャンプシュートを次々と決め、ここまで劣勢だったセカンドユニットもカイル・クーズマを筆頭に良いプレーを見せてレイカーズが先行するが、ナゲッツは10点前後のビハインドを背負いながら粘りを見せる。ヨキッチが厳しいマークに苦しみながら強引に仕掛けずアシストを狙ってチームオフェンスを動かし、もう一人のエースであるジャマール・マレーに効率良くボールを集めて反撃。そのマレーはレブロン・ジェームズをゴール下でかわすダブルクラッチなどインパクトの強いプレーを連発してチームを盛り立てた。
後半になっても、レイカーズが先行してナゲッツが食らい付く構図は変わらず。第4クォーターに入ってヨキッチがリバウンド争いで、またデイビスのシュートを止めに行って連続でファウルを取られてベンチに下がるが、レイカーズはデイビスが足首を痛めてしまい、本来の力を出せない。ヨキッチ不在の数分間を我慢したナゲッツは、もうファウルのできないヨキッチをコートに戻して反撃の力を強め、1ポゼッション差へと迫った。
ただ、この勝負どころでレブロンが違いを見せる。マレーのドライブを2本連続で止め、トランジションに持ち込んでは確実に得点を挙げていく。このレブロンの働きで残り2分で109-102とリードを7点に広げると、ラジョン・ロンドとレブロンが落ち着いて時計を進めた。結果、第1クォーター途中から常にリードを守り続けたレイカーズが3勝目を挙げている。
アンソニー・デイビスは足首を痛めて終盤に失速したものの、34得点を記録。またマレーへのディフェンスで格の違いを見せたレブロンは26得点9リバウンド8アシストとトリプル・ダブル級のスタッツを残した。一方でナゲッツはマレーが32得点を挙げた一方で、ヨキッチが16得点止まり。ハワードの先発起用が見事に当たった。
これでレイカーズはNBAファイナル進出に王手をかけた。しかし、ナゲッツはここまで1勝3敗という逆境をはねのけてきたチーム。この試合がそうだったように、最後の瞬間まで目の離せないゲームになりそうだ。