ニック・ナース

「コーチの仕事が好きだし、この球団のすべてが好きだ」

ラプターズは先週、ヘッドコーチのニック・ナースと契約延長に合意したと発表した。

現在53歳のナースは、ヘッドコーチになるまで様々な舞台で経験を積んできた。ヨーロッパで10年以上、そしてGリーグで数年間コーチ経験を積み、その後、ラプターズでアシスタントコーチを5シーズン務めた。2018年6月にヘッドコーチに就任すると、指揮官としてはルーキーながらチームをNBAチャンピオンに導いた。

新型コロナウイルスの影響で中断を余儀なくされた2019-20シーズンは、主力にケガが続出したにもかかわらずナースは優れた統率力を発揮し、球団最高勝率(73.6%)を記録し、最優秀コーチ賞を受賞。3年目を迎える前に複数年の契約延長にサインした。

ナースは「肩の荷が下りたと言えるかは分からないけど、この球団に居られてうれしい」と『ESPN』の取材でコメントした。 「コーチの仕事が好きだし、この球団のすべてが好きだ。私はただ今やっていることを継続したいだけ。この街と国にたくさんのエネルギーを与え続けて、ファンの背中を押して、チームを誇りに思ってもらえるようにしたい。みんながこのチームを応援してくれていることは大きな意味がある。だからこそ、ファンが誇りに思えるような試合ができている。一生懸命プレーして、チーム一丸となってファンと一緒に戦う。バスケットボールのそういう部分が好きだ」

ナースと長年一緒に仕事をしてきた球団社長のマサイ・ウジリとGMのボビー・ウェブスターは来年が契約最終年となる。ウェブスターは近々、契約延長にサインする予定だが、ウジリは自身の去就に関しては時間が必要だと明かしている。

「ボビーとマサイとは7年間一緒に仕事をしてきた。本当に親しい関係になったのは、ヘッドコーチに就任してからの2年ぐらいだけど、僕らはチームだ。だからこそ、ウジリの去就は少し気になる」とナースは言う。

飛躍を続けるラプターズの中核を担う幹部2人の去就は懸念されるが、優秀なヘッドコーチと契約延長できたことは大きい。ロスターを見ても、フレッド・バンブリートはフリーエージェントになるが、オールスター選手のパスカル・シアカムとは昨年契約延長を結んだばかり。また、2021年にはマックス契約を結べるキャップスペースができるため、ヤニス・アデトクンボなど大物選手の補強に動くことが予想される。近い将来、誰が加入し、ナースがどんなチームを作り上げるのか注目したい。