攻守に渡る貢献を指揮官も絶賛「誇りに思うよ」
ナゲッツはレイカーズを相手に2連敗から1勝を返した。ジャマール・マレーが28得点12アシスト、ニコラ・ヨキッチが22得点10リバウンドと両エースが奮闘したが、ジェレミー・グラントの活躍抜きにこの勝利は語れない。
スモールフォワードのグラントは主にレブロンとマッチアップし、時にはアンソニー・デイビスのマークも担当した。ディフェンスだけで手一杯になってもおかしくないが、フィールドゴール11本中7本成功、さらには12本のフリースローを奪って10本を決め、プレーオフでのキャリアハイとなる26得点を奪っている。攻撃に転じれば思い切って仕掛けることでオフェンスに厚みを持たせ、彼がダイナミックに動くことで特にアウトサイドのマレーの警戒が薄くなった。
グラントは「タフな相手だから彼らの正面に入ってディフェンスすること、積極的に手を動かすことを考えた」とレブロンやデイビス相手のディフェンスを説明するとともに、「攻守ともにアグレッシブにプレーできたのが良かったと思う」と試合を振り返る。
デイビスの逆転ブザービーターで敗れた第2戦を「つらい負けだった」としながらも「僕らが勝利をプレゼントしたようなもの。つまり勝てたゲームでもあった。今日の試合に向けてしっかり準備をして、目の前の試合に集中した。プレーオフが始まってからずっと、そうやって準備をしてきたんだ」と語る。
そのグラントを、指揮官マイケル・マローンは「誰よりもハードワークした彼がオフェンスでも仕事をしてくれたことを誇りに思うよ」と絶賛する。
しかし、グラント自身はチームでの勝利を強調する。「ヨキッチやマレーをサポートできて良かった。チームにとっては意味のあることだからね。ただ、このチームは選手層が厚く、様々な能力を持った選手がいる、プレーオフでは試合ごとに違う選手が活躍してチームを支えている。今夜もそれができた」
グラントは戦術的なキーマンにもなった。第3クォーター終盤、ヨキッチを休ませるタイミングでメイソン・プラムリーではなくグラントにセンターを任せ、マレー、モンテ・モリス、トーリー・クレッグ、マイケル・ポーターJr.というスモールラインナップを選択。「あらかじめローテーションは考えてあるが、試合ごとに流れがあり、今日はグラントが素晴らしいプレーをしていた。特にデイビスとレブロンへのディフェンスは素晴らしかった。サンダーではパワーフォワードとセンターのバックアップを務めていたし、彼が器用であることは証明済みだ」とマローンは言う。
高さのアドバンテージを生かすナゲッツとしては異例とも言えるスモールラインナップは、インターバルを挟んで第4クォーターの立ち上がりにも使われた。「ジェレミーのいるラインナップは機能していて、変える理由がなかった。私は勝てる可能性の一番高い5人を使う。グラントであれ誰であれ、すべての選手を信頼している」
1勝3敗からの逆転でジャズ、クリッパーズを撃破した彼らにとって、レイカーズが相手でも戦えるという自信を得る意味で大きな勝利。マローンは「負けたら終わりの試合を何度もやってきて、そのたびに試合が終わったらそのままデンバーに戻る荷造りをされるけど、我々はあきらめなかった。『バブル』での生活が気に入っているから、まだまだ滞在したいんだよ」と笑う。
グラントは「大きな意味のある勝利だったけど、シリーズを勝ち抜くにはあと3つ勝たなくてはいけない。3連敗しなくて良かったけど、先に進むだけ。目の前の試合に集中したい」と語る。あと3つ、ナゲッツの挑戦はまだまだ続く。