ナゲッツに勝利も「シリーズはまだ始まったばかり」と気を抜かない
ナゲッツとの西カンファレンスファイナル第1戦、レイカーズのレブロン・ジェームズは足首を痛めながらも15得点6リバウンド12アシストで勝利に貢献した。
まだ1勝に過ぎないし、追い詰められてからの底力に定評のあるナゲッツが相手だけに、まだまだ先は長い。試合後のレブロンの会見は、試合ではなくシーズンMVPについての質疑応答に多くの時間が割かれた。そこでレブロンは「腹が立った」と怒りをぶちまけ、選考方法に疑問を呈した。
バックスのヤニス・アデトクンボが2年続けてMVPに選ばれたが、投票に参加したメディア関係者101人中16人しか自分に1位票を投じなかった結果について、レブロンはこう語った。「受賞者ではなく、結果に腹が立った。日々レベルアップするために努力していれば、結果はついてくる。これは自分でコントロールできないことだけれど、腹が立ったね」
彼が納得できないのは、MVPなどの個人賞を選ぶ基準だ。「どうあるべきかを語るつもりはない。ベストチームのベストプレーヤーが受賞する場合もあれば、最高のスタッツを記録した選手が選ばれる場合もある。シーズンによって基準は変わるだろうね。ヤニスは素晴らしいシーズンを送った」
「ただ、結果を見た瞬間はイラッとしたよ。今はもう落ち着いている。カンファレンスファイナルでプレーできているのだから満足している。これから部屋に戻って少しワインを飲んで、ぐっすり眠りたい。ただ、投票に関する基準が曖昧だとは感じている」
「例えば2012年と13年、僕はシーズンMVPと年間最優秀守備選手賞を同時に受賞できる可能性があった。13年はマルク・ガソルが年間最優秀守備選手賞になったが、彼はその年のNBAオールディフェンシブ・セカンドチームだった(同年のレブロンはファーストチーム)。それだとまるで、シーズンMVPの選手がオールNBAセカンドチームと言われているみたいじゃないか。それから疑問を持つようになった」
「今シーズンのMIP賞を見ても、受賞したブランドン・イングラムは素晴らしいシーズンを送ったし、彼が受賞すべきだったと思う。でも、デボンテ・グラハムが獲得した票数を見てもらいたい。彼は昨シーズンの平均得点が4点台(4.7)だったのに、今シーズンは18.2得点だった。この結果を成長と言わずに、何が成長なのだろう? どれだけきちんと試合を見てもらえているのか分からないね」
「腹が立った」と繰り返したレブロンだが、終始冷静で時には笑顔も織り交ぜていた。本人は認めないかもしれないが、それが彼のモチベーションになっているのだろう。気の毒なのはナゲッツだ。思わぬ要素で気合十分になったレブロンを相手にしなければいけないのだから。