文=丸山素行 写真=鈴木栄一

韓国に逆転負け「チームを引っ張っていける人が必要」

男子日本代表は韓国代表との国際強化試合第2戦を行い、87-99で敗れた。第1戦に引き続き先発起用された八村塁は、25分間の出場で14得点4リバウンドを記録し、変わらぬ存在感を見せた。だがチームを勝利に導けなかったことも含め、第1戦ほどのインパクトは残せなかった。87得点は取っているものの、韓国ディフェンスに苦戦を強いられた印象が強い。

「対応されてきたことに対応できなかった。あっちもすごく身体を張って頑張ってきたので、そこで負けてしまった。チームとしてまとまりも出てきていますけど、まだまだじゃないかなと。そういうところでチームを引っ張っていける人が必要なんじゃないかなと思います」とアジャスト力、チームとしての完成度の差を八村は敗因に挙げた。

チームがうまくいかない時に「引っ張っていける人が必要」と八村は言ったが、「僕も一番年下で入ってきているので、そんな勝手にぐちゃぐちゃ言えないので、そういうところはプレーで引っ張っていきたい」と意気込んだ。

第1戦ではニック・ファジーカスが28得点、八村が17得点を挙げ、チームの総得点の半分以上を2人が占めた。だが今日の試合ではファジーカスが12得点に封じられ、八村も第1戦のようなド派手なプレーは影を潜めた。「あっちも1試合やって僕がどういうプレーするかは分かっています。その中でマークもちょっとキツかったと思います」と持ち味を出しづらかったことを八村は認めた。

だが2人を含めて5人が2桁得点を挙げていることは、バランスの良いオフェンスを展開したとも言え、決してすべてが悪かったわけではない。フリオ・ラマスヘッドコーチも「合格点のプレーができた」とオフェンスには及第点を与えている。

インサイドのディフェンスに課題「本当にダメだった」

問題は99失点を喫したディフェンスだ。日本は2桁リードを奪った場面もあったが、簡単に失点し試合をひっくり返された。ペイントエリアでの得点は42-46とほぼ互角だったが、ラトリフ・リカルドに37得点を奪われた。八村も「ディフェンスの部分でインサイドで負けていた。ルーズボールとかディフェンスリバウンドとか、そういうところが本当にダメだった」と語る。

その球際の強さは韓国の武器の一つ。そこで負けたことで主導権を渡してしまった。「やっぱり韓国はプロで何年かやってて、そういう中でうまさがすごくある」と八村はプロでの経験値についても言及した。

八村とファジーカスが加わった新生日本代表はいよいよ、ワールドカップ予選Window3に挑むことになり、第1戦で58-82で敗れたオーストラリアと6月29日に戦う。さらに今回は現役NBA選手が合流するということで、より厳しい戦いとなることが予想される。

それでも「身体を張ったリバウンド、速攻で自分で得点を取ったり、チームメートを使ったり、そういうところを見せていきたい」という八村のオールラウンドな活躍があれば、決して戦えない相手ではないはずだ。今回の2試合で得た収穫と課題を徹底的に見直し、ジャイアントキリングを起こしてほしい。