攻め手が増えた日本代表、司令塔の富樫勇樹が考える「チームとしてどう戦うか」

2018/06/17
日本代表
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文=鈴木栄一 写真=野口岳彦

ファジーカスと八村、富樫の得点能力を生かす策

6月15日、バスケットボール男子日本代表は2試合行われる韓国代表との強化試合の初戦に88-80で勝利した。この試合、一際大きな注目を集めたのはニック・ファジーカスと八村塁の新戦力コンビ。ファジーカが28得点13リバウンド、八村は17得点7リバウンド4アシストと見事なパフォーマンスだった。

期待通り、もしくはそれ以上と評してもいいインパクトを与えたファジーカスと八村だが、彼らをうまく使っていく役割を担う司令塔の富樫勇樹はどのように感じたのだろうか。

富樫はオフェンス面での大きな変化を次のように挙げる。「得点が完全に止まるということが今日はなかったような気がします。ニック選手がファウルをもらうなり、八村選手のオフェンスリバウンドからなりと、いろいろな形で得点を取れていました。それは本当に今後に向けて良かったと思います」

そしてピック&ロールでも絡むことの多い2人とのコンビネーションについてはまずまずの感触を得たようだ。「ピック&ロールから塁がダイブ(ゴール下に向かう)して、ニックがポップ(アウトサイドに開く動き)をしてとなると、どちらか一人は空いてくると思うので、2人をよく見るようにしていました。結果的にニック選手がジャンプシュート、フローターを打てるように、かなりチームとして良いパスが出せたと思います。この2週間、練習でやってきたことが少しは出せました」

2人のアドバンテージを生かしつつ自ら狙う姿勢

合流してから日が浅いとはいえ、ファジーカスはBリーグで何度も対戦してきた選手。「ニック選手の良さはBリーグでやっている選手ならみんな分かっていること。彼が何をしたい、どうしたいかを理解するのに時間はかからなかったので、フィットするかどうかはもう全然気にしなくていい」と、意思の疎通に問題はないと見ている。

また八村についても、ファジーカスと同じく様々な面で頼もしさを感じていると言う。「リバウンドやディフェンス面も含め相手に与えるプレッシャーは、数字の部分だけでなく、数字に表れないところでもかなり違いがあると思います。自分でリバウンドを取り、そのままプッシュしてレイアップまで行けるビッグマンは、日本ではなかなかいないと思います」

「彼には本当にいろんなところでチームを助けてもらえます。そして彼と練習していて感じるのが、ボールを持ち過ぎないところ。本当に初日からチームに溶け込んでいて、一緒にやっていて頼もしい選手です」

ファジーカス、八村の得点力は日本にとって間違いなく大きな武器であるが、一方で富樫も非凡なシュート力の持ち主。言うまでもなく、2人のアドバンテージを生かしつつ、チャンスがあればシュートを狙っていく積極性は失っていない。

「相手が自分かビッグマンのどっちを取るか。例えばニック選手のポップに対し、早く戻りたいなら自分が空いてくる。自分にちょっとでもついてくるようならニック選手が空く。そこは状況に応じてプレースタイルを変えるのではなく、相手のディフェンスの仕方を見ながらやっていきたい」と富樫は言う。

「チームとしてどう戦うかを突き詰めていきたい」

期待の新戦力が揃って大暴れ。ポジティブな要素が多い勝利ではあったが、これは強化試合。「あくまでも今日は本番ではないです。今日の修正しないといけないところを踏まえ、もう1試合できるので、チームとしてどう戦うかが少しずつ見えてきている中で、そこを突き詰めていきたい」と、ゼビオアリーナ仙台に舞台を移して行われる今日の第2戦に向けて富樫は意気込みを語る。

この試合では、周囲のシュートチャンスを作りつつ、自らも得点を重ねるBリーグで見せているいつものプレーで、オーストラリア戦に向けチームだけでなく富樫本人にも弾みがつくパフォーマンスを期待したい。