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4年100億円の大型契約を結ぶも期待外れの出来に

数年前まではバスケットボールIQの高いユーティリティプレーヤーとして重宝されたチャンドラー・パーソンズだが、そのキャリアは極めて不安定な状態になっている。『The Athletic』によれば、6月21日のドラフト前に、パーソンズが他チームにトレードされる可能性があるというのだ。しかも、現所属先であるグリズリーズは、ドラフト全体4位指名権を譲渡してでもパーソンズを手放したがっているというのだから驚きだ。

2年前にグリズリーズと4年9400万ドル(約100億円)の大型契約を結んだパーソンズは、度重なる負傷により、ここ2シーズンでわずか70試合出場と期待に応えられておらず、首脳陣はその扱いに頭を悩ませている。残り2年4920万ドル(約54億円)もの契約は、本格的に再建期を迎えたグリズリーズにとっては『不良債権』そのもの。ここ2年まともに働けていない選手と、年間2000万ドル(約22億円)超のサラリーを引き受けてもらうには、損を承知の条件を提示するしかない。

そこでグリズリーズは、有望な若手を指名できる4位指名権を泣く泣く手放そうとしている。どのチームを相手に、見返りに何を求めているのかまでは分からないが、とにかくパーソンズを手放さない限りはチーム再建に着手できない、という立場なのだ。

これに応じる可能性があるチームは、例えば同じく再建期に入ったクリッパーズ。12位と13位の指名権を交換条件にしてまで上位指名権を獲得し、スロベニア出身のルカ・ドンチッチの指名を狙っているとも噂されている。パーソンズのサラリーを引き受けてでも4位指名権は欲しいところだろう。

もっとも、グリズリーズとクリッパーズのケースはあくまでも一例。これから21日までの間、各チームのGMは考えられる限りの選択肢を検討し、チームにとってベストな判断を下す。どのチームがドラフトの真の勝者となるのか、ドラフト前後まで続く動きから目が離せない。