「観戦者は黙って試合を見ていればいい。それがルールだ」
レイカーズはロケッツとのカンファレンスセミファイナルを4勝1敗で制した。だが、カンファレンスファイナル進出を決めた第5戦にコートサイドで観戦していたラジョン・ロンドの兄弟、ウィリアム・ロンドが退場処分を受ける一幕があった。そして、『THE UNDEFEATED』によれば、NBAはウィリアム・ロンドに対しコートサイドでの観戦を数試合禁じる可能性があるという。
問題となったのは第4クォーター残り7分42秒、レブロン・ジェームズがフリースローを打っていた場面。リバウンドのポジションに入っていたラッセル・ウェストブルックはコートサイドの男性からかけられた言葉に反応し、詰め寄って行った。審判に止められるも、怒りを抑えられないウェストブルックは指を指しながら口論を続けた。
ウェストブルックは「ゴミ」と言われて激高したという。「観戦者は黙って試合を見ていればいい。それがルールだ。特に家族や友人がいるならね。ロンドが明らかに罵ってきたから、兄も参加したいと思ったんだろう。大丈夫さ、問題ない。彼は彼の兄弟を擁護したかったんだ。でも家族であろうとこのルールは全員に適用される」
ウェストブルックはジャズのファンから差別的発言を受けたことがあり、そのファンは永久追放となった。こうした事例があるように、観戦者のマナーにもNBAは目を向け、ルールを設けている。NBAは選手たちの家族や親しい者をバブルに呼び、人数を制限した上でコートサイドで観戦することを認めるようになったが、通常の試合と同様に、いかなる場合であっても選手への罵倒は許される行為ではない。
一方のラジョン・ロンドは兄弟を擁護しつつ、ウェストブルックが被害者面している点を指摘した。「兄はクレイジーなことは何も言っていない。声を荒げて、ラスを罵ったりしていなかった。僕たちはまるで攻撃されたかのようにレフェリーを操作することができる。僕は過去にそれをやったことがある」
ロンドは兄の存在を大切にし、癒しになっていると語っていた。それだけに、兄がバブルから追放されることになれば抗議するに違いない。
今後もプレーオフの熱は増していく。現地で観戦する人にとっては、もう一度観戦マナーを見直す良いきっかけになったはずだ。