文=丸山素行 写真=FIBA.com

体格差のないインドネシアを相手に大会初勝利

3×3男子日本代表は6月8日から開催されている3×3ワールドカップに参戦している。8日に行われたエストニア戦とスロベニア戦では、高さと強靭なフィジカルの前に連敗を喫した。今日はグループリーグ突破を懸けてインドネシアとポーランドと対戦。決勝トーナメントに進出するためには上位2チームに入る必要があり、日本は背水の陣で挑んだ。

初戦の相手はインドネシア。FIBAランキング15位の日本にとって、相手は18位とグループリーグ内で唯一格下の相手となった。これまでの相手と違い、最高身長が190cmと体格差がほぼない相手に対し、序盤から鈴木慶太と野呂竜比人が2ポイントシュートを決め、落合知也が華麗なスピンムーブからインサイドで得点し5-1と日本が先行した。シュートファウルがかさみフリースローを与えたのは課題だったが、取られたら取り返す。敗れた2戦と違いフィジカルで対等に渡り合えたことでヘルプにいかなくて済み、イージーシュートの機会を与えない。また相手にセカンドチャンスを与えることもなく、日本のペースで試合は進んでいった。

オフェンスでは落合のポストプレーが効果的だった。インサイドで起点を作ったことで、スペースを大きく使った攻撃を展開しバランス良く得点していった。鈴木の2点プレーとなるバスケット・カウントが飛び出すなど、序盤のリードを保った日本が18-11で勝利した。

終盤の反撃も実らず、高さとフィジカルの前に散る

グループリーグ最終戦はFIBAランキング7位と格上のポーランドが相手。ここでも高さの不利が響き、ゴール下を支配されてオフェンスリバウンドからの失点で先行を許す。開始3分、パワープレーを防ぐために前をケアした場面で裏を取られ、2-8とされたところで日本はタイムアウトを要請。その後は鈴木の2ポイントシュートでなんとか食らいつくも、インドネシア戦とは違いインサイドで起点を作れずにボールラインが上がり、外のシュートばかりになってしまった。

それでも8-16とビハインドを背負ったラスト3分から怒涛の反撃を見せる。落合がタフな体勢から2ポイントシュートを沈め、鈴木がドライブから得点し望みをつなぐ。セーフティリードを奪った油断からプレーが雑になったポーランドの隙を突き、点差を縮めていった。

そして残り1分15秒、鈴木が2ポイントシュートを沈めて2点差まで詰め寄った。だが同点を狙った落合の2ポイントシュートが外れ、直後のディフェンスで落合のシュートチェックの上から2ポイントシュートを沈められ勝負アリ。意地は見せたものの16-20で敗れた。

結局、FIBAランキングの上位チームを食うことができず、1勝3敗のグループ4位で決勝トーナメント進出は果たせなかった。体格の不利がそのまま試合展開に出て、今後に向けた課題が明らかとなった。インサイドで渡り合う術を見いだすのか、それとも別の部分で上回るのか。2020年の東京オリンピックに向けて、まだまだ挑戦は続く。