日本代表の新スタイルにフィットした馬瓜エブリン「何が舞い降りたのかな(笑)」

2018/06/10
日本代表
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文=丸山素行 写真=鈴木栄一

3ポイントシュート5本を沈める活躍で大会MVPに

チャイニーズ・タイペイとの国際強化試合で30点差の快勝を収めた女子日本代表。前半を終えた時点で57-21と早々に勝敗を決定づけた試合で、誰よりも輝いたのがチームハイの19得点を挙げた馬瓜エブリンだ。

馬瓜は積極的にシュートを放ち、6本中5本という高確率で3ポイントシュートを成功させた。「ちょっと自分でも何が舞い降りたのかなって(笑)」と自らのプレーに驚きを隠せない様子だったが「それだけできることが分かったので、それを自信に変えてやっていきたいなと思います」と続けた。

3ポイントシュートに目が行くのは当然だが、馬瓜の本職はスモールフォワードであり、スピードとフィジカルを生かしたドライブが持ち味だ。馬瓜も「自分の持ち味であるドライブが生かすためにも、空いたら3ポイントシュートを打とうと思っていました。全然、3ポイントの選手じゃないです」と認める。

「本当は行けるチャンスがあったらドライブに行きたかったんですけど、これだけ空いていたので、思い切って打っていこうと思って打てました」とドライブを生かすための3ポイントシュートだったことを明かし、結果的に3ポイントシュートの大当たりを引き出した。

物怖じしないタイプかと思いきや「意外と緊張しいです」

馬瓜は先日、妹のステファニーとともに『ジャンクSPORTS』に出演した。物怖じせず発言して司会の浜田雅功と爆笑トークを繰り広げる姿から緊張とは無縁のタイプかと思えたが、「意外と緊張しいですし、試合の方が緊張します」と明かす。

実際、昨日の試合でも「1投目は手がブルブル震えてて、2投目も震えてたんですけど」と話し、試合序盤は緊張でガチガチだったようだ。それでも「ブザービーターみたいな感じで入って、そこから気持ち的にも乗ってきたので、そこが良かったのかなと思います」と緊張から解放されたことがその後の好パフォーマンスにつながったと分析した。

馬瓜の代表デビューは昨年7月のアジアカップ。「選ばれたからにはこの後も継続的に選ばれたいし、みんなの力になりたいと思っていたので、緊張よりも集中力が勝っていました」と当時を振り返った。緊張しやすい体質が簡単に治ることはないが、「緊張の度合いを楽しめるぐらいまでにはなってきた」と、徐々に緊張との向き合い方を理解しているという。

「先輩方の背中を見てバスケットをやってきました」

トム・ホーバスヘッドコーチは今回の強化試合を迎えるにあたり、「新しい女子日本代表のバスケを見てほしい」と語っていた。そして、1番から5番まで全員が3ポイントシュートを打ち、トランジションのスピードを高めたバスケを披露した。

馬瓜はその中でチーム最長のプレータイムを得ており、指揮官の信頼を勝ち取ったと言える。それでも当の本人は「交代ないなあ、と思ってました」と笑う。「途中、しんどかったのもあるんですけど、うれしいなあって。素晴らしい選手の集まりなので、少し良いアピールになったかなと思います」と、なんとも天真爛漫な馬瓜らしい受け止め方をしていた。

それでも、これまで代表を牽引してきた吉田亜沙美と大﨑佑圭がメンバーから外れたことが話題になると表情が引き締まる。「先輩方の背中を見て自分たちはバスケットをやってきました。そういう先輩方が今までやってくれたことだったり、プレーで発揮したことを自分たちは次にやらないといけないなと思います」

責任感が芽生え、代表が目指す新しいスタイルのバスケットの中で結果を残した馬瓜。選考レースは今後も続くが、生き残りへ大きくアピールした一戦となった。