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敵地での戦い、カリー絶不調も接戦を制し3勝0敗に

NBAファイナル第3戦は、ケビン・デュラントの神懸かり的なパフォーマンスに牽引されたウォリアーズが逆転勝利。ホームでの連戦に続き敵地での初戦にも競り勝ち、これでシリーズ3連勝として連覇に王手を掛けた。

試合序盤、勢いで上回ったのは連敗を喫して本拠地に戻って来たキャバリアーズだった。ウォリアーズのハイペースなバスケに応じ、打ち勝つことでリードを奪う。先の2戦では不甲斐ないパフォーマンスに終始したJR・スミスが思い切りの良いシュートを連続で沈めチームを勢いに乗せると、レブロン・ジェームズがボードに当てたボールをダンクで叩き込む一人アリウープを披露。レブロンは相変わらず突出していたが、脇を固める選手がホームに戻るとアグレッシブさを取り戻し、それがチームとしてうまく噛み合った。

それでもウォリアーズはケビン・デュラントが好調。2桁のビハインドを背負ったところから反撃を開始し、押し返す展開が第1クォーター、第2クォーターと続いた。しかし、逆転に成功した後半には、もう一人のエースであるステフィン・カリーが絶不調でリードを広げられない。ボールを集めているにもかかわらず当たりが出ず、試合終盤までフィールドゴール14本中成功なしと大ブレーキに。第4クォーターはほとんどの時間帯で1ポゼッション差の大接戦となった。

残り3分、ゴール下に飛び込んだカリーが合わせのパスを受け、窮屈な体制で放ったシュートを沈めて久々の得点を記録すると、続くポゼッションで相手ディフェンスのミスでフリーになったのを見逃さず、この試合初の3ポイントシュートを決めて101-97と2ポゼッション差に突き放す。しかし、ここはレブロンが味方が身体を張って作りだしたセカンドチャンスを生かし、3ポイントシュートを決め返してキャブズが再び1点差に食らい付く。

アンドレ・イグダーラがダンクを決めて103-100とした後の守備、レブロンのパスを受けたトリスタン・トンプソンのシュートが外れるが、近くにいたロドニー・フッドよりも鋭い出足でクレイ・トンプソンがこのリバウンドを拾う。トンプソンも、カリーほどではないがシュートタッチが良くなく我慢のプレーを強いられていたが、このリバウンドは次のビッグプレーを呼び込む値千金のプレーだった。

残り1分で今度はデュラント。最初はレブロンが守っていたのを高さのミスマッチがあるフッドにスイッチさせ、続けてイグダーラがスクリーンをかけてJR・スミスへとスイッチさせる。距離があったので寄せが甘く、デュラントは33フィートのロングスリーを迷わず放った。「ボールを離した瞬間、良い感触があった」と試合後に彼が振り返るロングスリーが決まり、会場は静まり返る。これで6点差としたウォリアーズが、残り時間も付け入る隙を与えず110-102で勝利した。

デュラントはフィールドゴール23本中15本成功。3ポイントシュートは9本中6本成功、フリースローは7本すべて沈めて、プレーオフキャリアハイとなる43得点を記録。さらに13リバウンド7アシストと出色の数字を残した。

シリーズ初戦ではレブロンとのエース対決で完敗を喫し、試合に勝ったにもかかわらず批判されたが、「自分にコントロールできることをコントロールする。どのポゼッションでも全力でプレーするんだ。ディフェンスをしっかりこなし、オフェンスでは自分のスポットを見つける」と語っている。

キャバリアーズではレブロンが33得点10リバウンド11アシストで、NBAファイナルで10回目のトリプル・ダブルを記録したが勝利ならず。JR・スミスは中盤以降に失速、ラブも勝負どころで力強さを欠いた。シックスマンのロドニー・フッドは15得点と気を吐いたものの、守備の穴をデュラントに突かれた感は否めない。

これで0勝3敗と崖っぷちに追い込まれたキャブズ。8日の第4戦を落とすと、本拠地でスウィープ負けという屈辱を味わうことになる。