殊勲のカイル・ラウリー「勝つことだけが目的だった」
昨シーズンチャンピオンのラプターズが2勝3敗と崖っぷちで挑んだセルティックスとのプレーオフ東カンファレンス・セミファイナル第6戦。ダブルオーバータイムまでもつれた接戦の末にラプターズが125-122で勝利し、シリーズ突破への望みを繋いだ。
前半はセルティックスに簡単に3ポイントシュートを打たせてしまいリードを許したが、後半開始早々にフレッド・バンブリートが連続で3ポイントシュートを決めて逆転に成功。そこからは一進一退の戦いが続き98-98でオーバータイムに突入した。
オーバータイムに入っても両者に差は生まれず、106-106でダブルオーバータイムへ。ラプターズは開始早々に2つのターンオーバーを犯し嫌な流れに。さらにカイル・ラウリー、バンブリート、OG・アヌノビー、ノーマン・パウエル、パスカル・シアカムのスモールラインナップで挑むラプターズに対して、セルティックスはジェイソン・テイタムやケンバ・ウォーカーがディフェンスを引き寄せてダニエル・タイスとのアリウープで4点のリードを奪う。
その嫌な流れを打ち切ったのがノーマン・パウエルとOG・アヌノビーだ。残り時間1分を切ったところでアヌノビーが3ポイントシュートを決めて逆転に成功すると、次のポゼッションではパウエルがテイタムのドリブルをスティールしそのまま速攻に持ち込んでバスケット・カウントとなる3点プレーを成功させる。
そして勝利を決定づけたのがラウリーだ。残り11秒でウォーカーを相手にアイソレーションを仕掛ける。ジワジワとインサイドに入るとターンからのフェイドアウェーシュートを沈めた。これが決定打となり、ラプターズが125-122で勝利した。
89-111でラプターズが敗れた第5戦ではセルティックスの先発5人に2桁得点を許したが、この試合ではケンバ・ウォーカーに対しボックスワンを遂行し、わずか5得点に抑えるなど、前回の課題をしっかりと修正した。
セルティックスの流れになりそうな時に3ポイントシュートやハッスルプレーで流れを取り戻したラウリーは、この試合で33得点8リバウンド6アシスト2スティール1ブロックを記録。3敗を喫し後がない状況だっただけに「勝てて良かった。正直、勝つことだけが目的だった。最後のケンバとのマッチアップの時も何も考えていなかったよ。お互いに勝利を懸けて戦っているだけ」と振り返った。
また、プレータイムが53分まで伸び、インタビュアーから「GAME7に向けてどんな準備をする?」との問いには、苦笑いしながら「分からない」と答え、こう続けた。「とにかく勝つことしか考えていない。(ニック)ナースを信じているし、彼も僕たちを信じている。GAME7もやるしかない」
第5戦では完敗し、後がない状況だったが昨シーズン王者のプライドを見せたラプターズ。運命のGAME7は現地12日に行われる。