ラジョン・ロンド

デイビス「プレーオフ・ロンドは本物」

レイカーズはロケッツとのセミファイナル第3戦に112-102で勝利し、対戦成績を2勝1敗とした。

同点で最終クォーターを迎えるなど終始互角の展開が続いたが、ラジョン・ロンドが均衡を破った。ロンドはレブロン・ジェームズのゴール下のシュートをアシストし、その後2本連続で3ポイントシュートを成功させる。さらにジェームズ・ハーデンからボールをスティールし、ワンマン速攻を決めて10-0のランを作り上げた。そして、このランが勝敗を分けた。

勝利を手繰り寄せる決定的な仕事をしたロンドだが「与えられた仕事をしただけ」と、冷静に語った。「まずはディフェンスから、というのが僕のスタイル。チームメートがオープンの僕を見つけてくれて、自信を持ってシュートを打った。簡単なレイアップもいくつかあったしね」

レイカーズはレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスの2人で62得点を記録したが、ロケッツのジェームズ・ハーデンとラッセル・ウェストブルックの2人に63得点を奪われた。試合が拮抗すればするほど、『第3の男』の存在がカギを握る。ロンドはベンチからの出場ながら21得点9アシストを記録し、まさに『第3の男』としてチームを救った。

デイビスはそんなロンドの働きぶりをこのように称賛した。「『プレーオフ・ロンド』は本物だ。最高のペリーメータープレーヤーを守っている。シュートも入るし、正しいパスを選択している。彼のIQは別次元のレベルにあるんだ」

デイビスが言うように、ハーデンやウェストブルックなど、リーグ屈指のプレーヤーとマッチアップする機会が多いロンドだが、彼はその戦いを楽しんでいる。「ベストの選手と戦うことが好きなんだ。ハーデンは僕がプレーしてきた時代のトップ2のガードで、彼とラスとのマッチアップは毎回楽しみ。互いにハイレベルな戦いができて最高だ。チェスの試合のように、彼らが修正すればこちらも修正し返す。そういう戦いが僕は好きなんだ」

ロンドは右手親指を骨折し、このセミファイナルから復帰した。初戦は試合勘が戻らず低調なパフォーマンスに終わったが、第2戦では10得点9アシスト5スティールと活躍し、今回も大きな仕事をして尻上がりに調子を上げている。

「第1戦は反省点が多かった。ターンオーバーが4つあってそのほとんどが自滅だった。第2戦ではボールを大事に扱おうと心掛け、その通りのプレーができた。この数試合はもう一度しっかりボールを保持し、チームメートを見つけることに集中した。自分はもっとできると思っていたんだ」

ロンドは「すべての出来事には理由があると思っていて、神様が僕に何かを伝えようとしたんじゃないかな。とにかくじっと耐えていたんだ」と、ケガから復帰するまでを振り返った。ケガの影響を全く感じさせないロンドは、このプレーオフでチームになくてはならない存在へと昇華した。