スポーツにケガは付き物ですが、年齢や競技レベルにかかわらず、できることならケガと無縁でプレーを楽しみたいもの。それでもバスケットボールは激しいコンタクトがあり、急なダッシュとストップ、ジャンプと着地を繰り返すハードな競技です。そんなバスケをケガなく続けるために、ケガの予防や対処の知識を得ておきましょう。スポーツ医学の専門家である近良明医師に、特に成長期にある10代までのバスケ選手によくある疑問に答えてもらいました。皆さんも疑問がある場合はこちらに質問をお寄せください(ただし、痛みや不具合がある場合は早めにお近くの専門医に相談しましょう)。
答えてくれたのは……近良明医師
新潟県新発田市出身。スポーツ医学と肩関節外科が専門の整形外科医として新潟県新潟市に『こん整形外科クリニック』を構える。新潟県バスケットボール協会スポーツ医科学委員長を務める。
[Q]慢性的に腰が痛く、特にシュートを打つと痛いです
慢性的に腰が痛く、プレーするととても痛いです。特にシュートを打つ時に痛いです。何が考えられますか?
[A]練習よりも整形外科受診を優先させましょう
成長期の選手で腰痛が2週間以上長引く場合、腰椎分離症を考えるべきという報告があります。腰椎分離症は、成長期に強度の強い運動の時、身体を反る動きや捻る動きにより、腰椎の後方(椎弓)に疲労骨折を起こすものです。腰を反ると腰痛が誘発されることが多いので、シュートの時に痛みを出します。スポーツ中だけでなく、授業中に座っていると痛いことが多くあります。
練習継続できない場合や授業中に痛い場合などは、練習よりも整形外科受診を優先させましょう。レントゲンだけでなくCTやMRIでの検査が必要になることがあります。他にも筋筋膜性腰痛症、腰椎椎間板症、腰椎椎間板ヘルニア、仙腸関節障害など考えられる疾患はいろいろありますので、整形外科でしっかり診断してもらいましょう。