宇都宮ブレックス

宇都宮の試合巧者ぶりが際立った試合に

宇都宮ブレックスがホームに名古屋ダイヤモンドドルフィンズを迎えたプレシーズンゲームは、79-59で宇都宮が勝利した。

宇都宮は土曜日の群馬クレインサンダーズ戦に続きプレシーズンゲーム2戦目、名古屋Dは今シーズン初めての対外試合に。まだ両チームとも全選手が合流できず、宇都宮はLJ・ピーク、名古屋Dはレオ・ライオンズがいない中での試合となった。

群馬戦と同じく宇都宮の先発は鵤誠司、比江島慎、遠藤祐亮、ライアン・ロシター、ジョシュ・スコットに。対する名古屋Dは齋藤拓実、中東泰斗、狩野祐介、張本天傑、ジェフ・エアーズと滋賀レイクスターズからの新加入組が先発に名を連ねた。

序盤は名古屋Dのペースで試合が進む。齋藤がボールプッシュすることで速いバスケットを展開。ハーフコートオフェンスでも齋藤が宇都宮のディフェンスを翻弄し、エアーズや中東にパスをさばいていくことで得点を重ねる。

名古屋Dは開始5分で5選手全員を交代するも、引き続き速いバスケットで主導権を握る。齋藤、笹山貴哉、小林遥太、木下誠のタイプが違うガードを上手に使い分け、時には2ガードなど様々なオフェンスパターンを遂行する。ディフェンスでもボールマンに激しく当たり、簡単にパスを出させない。

対する宇都宮は名古屋Dの速いバスケットに苦戦し、得点を許してしまう。ハーフコートオフェンスでも名古屋Dのしつこいディフェンスに苦戦しボールが動かない。そのためショットクロックギリギリでのタフショットが増え悪循環に。それでもテーブス海が個で打開し、チームにエナジーを与える。遠藤も自分が囮になりディフェンスを引き寄せることで、チームメートのシュートチャンスを作る。また、ジェフ・ギブスとロシターが名古屋Dのインサイドを封じたことで次第にリズムをつかみ、9点のビハインドを追いついて37-37で前半を折り返した。

後半に入ると宇都宮が前半の課題を修正する。名古屋Dのしつこいディフェンスに対し、ズレが生まれるまで我慢してボールを回し続ける。そして生じたズレを見逃さず自分たちのペースでシュートを放つことで、リードを広げる。

前半は名古屋Dのスピードに惑わされたが、後半になるとその速さにも慣れ始める。持ち前の堅実なディフェンスで相手にタフショットを打たせ、ディフェンスリバウンドからの速攻に持ち込むなどして主導権を握り、79-59で宇都宮が勝利した。

プレシーズンゲームを連勝で終え、安齋竜三ヘッドコーチは「名古屋さんの強度がすごく高かったので良い勉強になりました。その中で自分たちのゲームに最後は持って行けたことが良かったです」と手応えを語る。

新型コロナウイルスの感染対策のため、観客は声を出すことができず拍手で応援している。それでも比江島は「お客さんの前でプレーできることは本当にうれしいです。拍手だけですが僕たちにしっかりと皆さんのエールが届いているのでありがとうございます」と語った。

この試合では宇都宮の修正力の高さ、そして試合巧者ぶりが際立った。ただ、名古屋Dもスピードある走るバスケを遂行し、チームが目指すバスケを体現した。開幕まで1カ月を切り、両チームともにプレシーズンゲームで見つかった課題を修正して2020-21シーズンに挑む。