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レブロンはヒート時代を含め8年連続でファイナルに

5月27日にTDガーデンで行なわれたキャバリアーズとセルティックスによる東カンファレンス・ファイナル第7戦。キャブズはレブロン・ジェームズが48分のフル出場でチームを引っ張り、87-79で勝利し4年連続のNBAファイナル進出を決めた。

この日のTDガーデンもセルティックス一色の雰囲気で、ホームチームが一つのプレーを決めるごとに大歓声でサポートした。試合開始から約4分間で11-4のランを決め、セルティックスが序盤に流れを作った。しかし、キャブズ、いやレブロンにはヒート時代を含め、負けられない試合で得た絶対的な経験値がある。試合後にも「これはチームスポーツ」と語ったように、レブロンは孤軍奮闘するのではなく、チームメートがオープンな状態でシュートを打てる状況を作り続け、全員をプレーに参加させることを心がけていた。

若い選手が多いセルティックスは、キャブズの徹底した守備、それから『GAME SEVEN』の緊張感に飲まれたのか、第6戦までと比べてシュートミスが目立った。

キャブズはオープンシュートを外したシーンが多かったが、守備への意識が高く、39-43と4点差で前半を折り返した。第3クォーターに入ると、さらにディフェンスの強度を高めイージーシュートを許さず、20-13と上回ってリードを奪った。

第4クォーター序盤から手に汗握る攻防が続き、残り6分41秒にはジェイソン・テイタムがレブロン越しに強烈なワンハンドダンクを決め、会場を揺らす。直後、テイタムが3ポイントシュートも決めて72-71で逆転に成功した。

ようやくセルティックスが主導権を握ったかに思われたが、キャブズはすぐにジェフ・グリーンの3ポイントシュートで逆転し流れを渡さなかった。そしてラスト6分間を16-7で上回り、今年のプレーオフでどのチームも勝てていなかった『難攻不落のTDガーデン』をキャブズが攻略した。

レブロンは48分のフル出場で35得点15リバウンド9アシストを記録。フル出場は自分からヘッドコーチのタロン・ルーに提案したことを明かした。「フル出場は自分で言ったこと。どうやってやりきるかを考えていた。ハーフタイムの後はアップもしなかったし、タイムアウトでのちょっとした時間を使って休憩した」とコメント。

レブロンは、1年目ながらもプレーオフを通じ主力としてセルティックスを引っ張ったテイタムについても触れ「ジェイソンは大好きな選手だ。彼のプレー、振る舞い、ここに至るまでの過程、すべて素晴らしいと思う。彼はコート内外でスターになるべき選手」と称えた。

テイタムは「自分にとっても特別な瞬間だった」と、レブロンとの対戦を振り返っている。「レブロンを見て育ったし、彼にTwitterのアカウントをフォローバックしてくれるか頼んだり、昔は彼のバスケットボールキャンプに参加したりしたんだ。彼のような選手と1年目から対戦できて、あと少しのところまで追いつめることができた」

キャブズはシーズン開幕から思うようなケミストリーを作れず、2月のトレードデッドラインには思い切ってロスターを刷新。後半戦を使って新たなチームを作り上げるも、プレーオフ開幕後も苦戦を強いられた。今シリーズでもセルティックスの術中にハマって大苦戦となったが、最終的には地力と経験の差で勝ちきった。

第7戦後には東の優勝を喜んだものの、キャブズには4年連続のファイナル進出を喜んでいる暇はない。明日には西の覇者が決まり、5月31日から敵地で優勝を決めるシリーズがスタートする。シーズンを通じて批判に晒されてきたキャブズが、球団史上2回目の優勝に向け、最終決戦に挑む。