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得点以外で驚異的なスタッツを残し、堅守でチームを牽引

王者ウォリアーズは、崖っぷちの状態で迎えたロケッツとの西カンファレンス・ファイナル第6戦に115-86で完勝し、シリーズを『GAME SEVEN』に持ち込んだ。

オフェンスの中心を担ったのは合計64得点をたたき出したクレイ・トンプソン(35得点)とステフィン・カリー(29得点)の『スプラッシュ・ブラザーズ』だったが、試合を通じてディフェンスでリーダーシップを取っていたのはドレイモンド・グリーンだ。しかもグリーンは、密かにNBAプレーオフ史上初の快挙を成し遂げ、チームの勝利に貢献していた。

第6戦でグリーンは、プレーオフ史上初の4得点10リバウンド9アシスト4スティール5ブロックというスタッツをマークした。2017年の2月10日に行なわれたグリズリーズ戦で、史上初となる得点を含まない形で『トリプル・ダブル(12リバウンド10アシスト10スティール)』を達成しているグリーンにとって、得点以外の部分で勝利に貢献するプレーは珍しいことではない。それでも、レギュラーシーズンの試合と比べて重圧、フィジカルの強さが比べものにならないプレーオフの試合でこれだけの数字を残せるのは尋常ではない。

さらに、あと1得点と1スティールを上乗せしていたら、5つの部門で5以上を記録する『5×5』をプレーオフで初めて達成した選手になっていた。

またウォリアーズの精神的支柱でもあるグリーンは、劣勢で終えた前半終了後、ロッカールームでチームに檄を飛ばした。ヘッドコーチのスティーブ・カーによれば、グリーンは米国大学バスケットボール史上最高の指導者と言われるジョン・ウッデンの名言を引用。チームメートに向かい「素早くやろう。でも急がずにやろう」と声をかけたという。

この一言で集中力を取り戻したウォリアーズは、第3クォーターに試合を引っくり返し、『GAME SEVEN』を戦う権利を手にした。明日の第7戦でも、グリーンのリーダーシップと献身的なプレーが勝敗を左右することになりそうだ。