堅守から効率の良い攻めに転じたアルバルク東京がBリーグの年間チャンピオンに!

2018/05/26
Bリーグ&国内
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文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦、B.LEAGUE

千葉ジェッツのトランジションオフェンスを封印

5月26日、横浜アリーナで行われた2年目のBリーグのファイナル。アルバルク東京が千葉ジェッツのトランジションバスケットをほぼ完璧に抑え込み、ディフェンスゲームの中で勝機を見逃さずモノにして、85-60の大勝でリーグ優勝を決めた。

両チームともタフなディフェンスが持ち味で、得点の伸びない重い展開になることは予想されていたが、A東京はファーストプレーで竹内譲次のシュートがブロックされ、いきなりファストブレイクで先制点を与えてしまう。それでもすぐにエースの田中大貴がシュートをねじ込んで拮抗した展開に持ち込んだ。試合が動いたのは第2クォーター残り3分、バックドアでインサイドを破られ、レオ・ライオンズのダンクで30-31と逆転されてタイムアウトを取った時からだった。

ここでA東京は休ませていたアレックス・カークをコートに戻すと、オフェンスセレクション良くチャンスを作って田中、カークと連続得点。千葉も同じくタイムアウトを取ったところで、デザインされた攻めを潰して富樫勇樹にエアボールとなる3ポイントシュートを打たせると、ここからポストに入れるパスを狙って千葉に形を作らせない。

オフェンスでは田中がマイケル・パーカー相手に果敢に1on1を仕掛けてファウルを誘いフリースローで得点、馬場雄大が初めて仕掛けたドライブからレイアップをねじ込み、さらにはポストに入れるボールをスティールしてのファストブレイクで安藤誓哉が得点。タイムアウトから10-0のランに加え、残り3秒からジャワッド・ウィリアムズがハーフコートからのブザービーターを決めて43-33と2桁のリードを奪い前半を折り返した。

焦りが出た千葉、無理な攻めからターンオーバーで失速

ボールを失った瞬間のハリーバックを決して怠らず、守備から攻撃に切り替える千葉のスピードについていく。3ポイントシュートを打たせない、さらにはポストプレーの形を作らせない。ファイナルのためにA東京が準備した『千葉封じ』は後半も機能した。我慢を続ける千葉にようやくファストブレイクのチャンスが訪れたと思えば、あきらめずに追いかけた小島元基が背後からボールを突いてプレーを切ってしまう。

ファイナルとあって両チームとも集中力は他の試合と違い、千葉では小野龍猛がファウルトラブルでベンチに下がった際に原修太がハッスルしてつなぐ。A東京では、ファストブレイクからダンクを狙う馬場がギャビン・エドワーズの背後からのブロックを浴びる。明らかに接触があったにもかかわらずノーファウルの判定に怒った馬場がテクニカルファウルを取られるも、すぐに気持ちを切り替えて、リードを続ける良い流れを乱すことはなかった。

こうなると、10点前後のビハインドを背負い続ける千葉に少しずつ焦りが生まれてくる。無理なアウトサイドシュートでポゼッションを失うと、田中を起点とするA東京に効率良くチャンスを作られた。帰化選手のパーカーで優位を作ることのできる第3クォーターで富樫を10分間出場させたのは、流れを呼び戻すための賭けだったが、ここでも点差を詰められない。

こうして迎えた第4クォーター、いきなり馬場が思い切りの良い3ポイントシュートを沈めて64-49と15点差に。タイムシェアを徹底する中でウィリアムズ、ブレンダン・レーンも自分の役割をきっちりとこなし、千葉の反撃を単発に抑えて時計を進めていく。残り3分14秒、田中大貴が右ウイングの位置からオープンの3ポイントシュートを決めて75-53に。これほど早い段階で決着が付くのは誰にも予想できなかっただろうが、最終スコア85-60でA東京が完勝を収めた。

パヴィチェヴィッチ「守備を引き締めたのが勝因」

途中までは一進一退の攻防となったが、A東京は接戦の時間帯を我慢し、勝機を見逃さずとらえた。ルカ・パヴィチェヴィッチは勝因をディフェンスと語る。「ファストブレイクは絶対にやらせない、オフェンスリバウンドももう取らせない、と引き締めた」。こうして我慢強いディフェンスを効率の良いオフェンスへとつなげたことで、拮抗した勝負を圧勝へ変えていった。

千葉は相手ディフェンスを攻略できず、ターンオーバーからの失点が響いた。キャプテンの小野龍猛は「ターンオーバーが相手の得点に直結したことで、集中力や我慢が途切れていってしまった。そこでもっともっと、チームとして出ている人間がハドル組んだり、僕も言えば良かったのですが言えずに終わってしまったので、そこだけは悔いが残ります」と試合を振り返る。

千葉にとっては自分たちのバスケットを展開できない悔しい負けに。それでもレベルの高いファイナルではあったのだが、一つ残念だったのはボールが滑り、選手たちが本来のパフォーマンスを発揮する障害になったこと。前後半でボールを変えても滑るのは変わらなかったと、敗れた千葉だけでなくA東京も含めて複数の選手がコメントしていた。

ただ、その不利は両チームに平等であり、乗り越えたA東京が優勝に値する『強いチーム』であったのは間違いない。京都ハンナリーズ、シーホース三河、そして千葉ジェッツと強敵を立て続けに撃破したA東京が、Bリーグの頂点に立った。