「ディフェンスの強度が上がる」はずのプレーオフで点の取り合いが目立ったのは、『バブル』の環境のおかげ?

「ディフェンスの強度が上がる」はずのプレーオフで点の取り合いが目立ったのは、『バブル』の環境のおかげ?

2020/09/03
NBA

「このコートならシュートが入りまくるぞ」

プレーオフファーストラウンドでクリッパーズはマーベリックスを撃破した。カンファレンスセミファイナルではナゲッツと対戦するのだが、ヘッドコーチのドック・リバースは、対戦相手が決まる前の取材で、次のシリーズへの準備についてコメントした。

「両チーム向けの対策はしない。自分たちの準備をするだけだ。相手がどこであろうとオフェンス、ディフェンス両面ですべきことがあり、修正が必要だ。その後でゲームプランを考えるほうが楽だし、我々はそうする」

ナゲッツとジャズのシリーズは第7戦を除き、得点の取り合いとなった。第6戦までの平均得点はジャズが平均119.5得点でリーグ3位、ナゲッツが115.1点で6位にランクしていた。両チームのエース、ドノバン・ミッチェルとジャマール・マレーはそれぞれ平均38.7得点、34.0得点でプレーオフの得点ランキング1位と2位だった。リーグ全体で見てもバブルに入ってからの無観客試合では各チームの得点は増加している。

通常であれば、ディフェンスの強度が増すプレーオフは守り合いになる傾向が多い。それが逆になっているのは、『バブル』という特殊な状況下で試合を行っているからではないだろうか。それでも、リバースは無観客試合であること、アリーナ内の音響、選手の集中力が増しているといったことと得点力の増加には因果関係がないと主張した。

「ファンがいないのは関係ないと思うが、個人的には背景のおかげでバスケットゴールに輪郭があるように見える。初日ジムを訪れたときに『ゴールの輪郭がはっきり見えるから、このコートならシュートが入りまくるぞ』と冗談で言ったくらいだ」

「ただ、プレーオフが進むにつれて得点を取るのは難しくなるだろう。ディフェンスが良いチームと戦うことになるからね。プレーオフの前に普段より長くオフェンスの練習ができたおかげで、どのチームのオフェンスも機能している。でも、ここからはオフェンスの数字は下がってくるだろう」

リバースが予言した通り、ナゲッツvsジャズのGAME7は80-78と極端な守備合戦となった。

クリッパーズのポール・ジョージも以前、黒の背景のおかげでリングがはっきり見えることからバブルの試合会場を『シューター向けのジム』と表現していた。「シュートに関してのフィーリングは最高だ。バスケットボール専用ジムみたいな感覚で、特に3ポイントシュートの成功率が上がる選手が増えるだろうね」

そう語ったジョージだが、マーベリックスとのシリーズではスランプに陥り、3ポイントシュート成功率は27.5%と絶不調だった。リングが見えやすいことでシュート精度が上がる選手も中にはいるだろう。だが、プレーオフの戦いではシュートの成功率よりもどれだけタフなディフェンスができるかが勝負の分かれ道になる。

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